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海賊戦隊の「絆」を見届けたシンケン姫レッド [メディア・家族・教育等とジェンダー]

本日の『海賊戦隊ゴーカイジャー』第12話は、先週の第11話の続き、『侍戦隊シンケンジャー』とのコラボ編にして、ゴーカイジャーのブルー・剣士ジョーのスポット回でした。

かつての剣の恩師である先輩が、今は洗脳されサイボーグ化された敵の幹部のひとりバリゾーグであるという衝撃の事実が発覚し我を忘れて船を飛び出したジョーが、しかし必ず戻ってくると信じる他のメンバーたち。
そんな海賊団としての仲間どうしの絆をまのあたりにした、元シンケンレッド――姫レッドのほう――だった志葉薫は、ゴーカイジャーたちを信じる境地に達し、彼らにシンケンジャーの大いなる力を託すことにする……というのが今週の大まかな話の流れです。

そして、先々週の11話予告の時点からネット上でも賛否が論じられていた、シンケンジャー編に登場するのが殿レッドではなくて姫レッドでイイのかという点。

じつはこの、当初は自分こそが世界を守って戦わねばという使命感をもって、前面に出てきたものの、既存の戦隊メンバーたちの強く結ばれた絆の強さこそ、世界を守りうる力だと得心して、自分の力を既存メンバーに託し、自分は一歩身を引くという展開は、なんと元の『シンケンジャー』本編の終盤の流れとパラレルになっているんですねぇ。

であればこそ、ここは登場するのは姫レッドでなくてはならなかったというわけだったんですネ。

いゃ真相は仮に「松坂クン、スケジュールの都合で、どーしても出られないって。『シンケンジャー』編どーする?」「しょーがない、“姫”で行こう」であったのだとしても、そうしたやむを得ず感は感じさせない作劇、見事でありました。あっぱれ!


ところで、「仲間との絆」と表現すると、妙に少年マンガっぽい、無駄に熱いニュアンスが(!?)濃くなっちゃいますが、これは角度を変えて見てみると、自分の居場所ということになるのではないでしょうか。

『シンケンジャー』本編の終盤でも、いったん任を解かれた殿レッド・タケルが、いゃいゃアナタはここに居てイイんだよと受け入れてくれる仲間の存在を再確認することが、「絆」の本質でした。

このエッセンスは、舞台を「海賊」に移し替えることで、より鮮明になります。
「海賊」というアウトサイダーになるということは、もはや他のどこにも行き場がなくなったということでもあります。
そんな者どうしが仲間になって集まった場所、海賊船とはそういう存在であり、だからこそかけがえのない居場所であり、各自の心の拠りどころなのです。

お互いの信頼も、そこから生まれているとすれば、自然なものとして納得しやすいのではないでしょうか。

この、いわば、ありのままの自分が、ソコに居てイイと受け入れてもらえる、そんな自分の居場所を見つけることが大切だ。
そのためならば、世間一般の価値規準から外れたってかまわない――

そんなメッセージこそが、もしかしたら、『ゴーカイジャー』のようなフィクションのポピュラーカルチャーにおいての、「海賊になる」ということの意味なのかもしれませんね。

あ、隣のチャンネルで3時間後に始まる(関西地区準拠)某アニメ版海賊モノ(^^ゞ でも、このことは同様に言えるかもしれません。

その観点からも、ゴーカイジャーの「海賊の汚名を誇りとして名乗る」というスタンスは、多くの現代人の生き方のヒントになるのではないでしょうか。

 Boys and girls be piratical !!

 

◎ちなみに、バリゾーグはジョーに対し、洗脳されて昔の記憶はすべて失っているみたいにふるまってましたが、あれはウソなんじゃないですかね??
だって第4話ではジョーが本当は二刀流だと知ってたりしたし。
第4話といえば、今日の12話ラストで自分の顔を見るアイムに「何か付いてるか?」とジョーが言うのは、4話で鼻にクリームが付いていたことを受けたセリフですナ。
……となると、今日のジョーは、これまた帰ったらみんなにケーキか何か作るはずなので、「今日(の晩ごはん)は豚丼だよ」と言うハカセに、「手羽先がよかった(のに…)」と返すのは、もしかして、作る候補に考えたスイーツが手羽先と合うものだったのでは???……と深読み(*^_^*)


◎それから今日の第12話では、マーベラスとジョーが仲間になったいきさつも語られましたが、せっかくなら、ジョーが捕まって公開処刑にかけられそうなところを助けることにすれば……………いゃ、だから『ワンピース』と比べなくていいって(^o^;)
でも、なんだかんだ言っても、やはり『ゴーカイジャー』&『ワンピース』のコラボは見たいですよね。映画館でイイから(^^)
ジョーVSゾロの剣の対決はもちろん、ルカVSナミの守銭奴対決、ハカセVSウソップの臆病対決とか。
あ、ハカセはサンジと料理対決もしないと
 ↑
あ!! マーベラスVSルフィの大食い対決を忘れちゃいかん!
(15:07)


前記事でマーベラスにレンジャーキーを託したアカレッドの声が古谷徹…ってことに触れましたが、よくよく調べると『ワンピース』でルフィにトレードマークとなる麦わら帽子を授ける赤髪のシャンクスの声が、ガンダムでアムロの好敵手だったシャアの池田秀一
もしかしてコレにも何か
深い意味がある!?


◎というわけで、(2011/05/09)
『ゴーカイジャー』第11~12話「シンケンジャー編には姫レッド出演」が絶妙の展開で成功を収めたと見てよいと思います。
まぁ殿レッドの熱烈ファンなら「なぜだ~!? 代わりに姫かよっ!?」と嘆きたくもなるのかもしれませんが。
ただ、録画で巨大戦シーンを見直して思ったんですが――
え゛っ、獅子折神とかは来ないの?
代わりにガオライオンかよっ!
(・o・;)!
まぁこれこそ玩具展開にかかわる制約という大人の事情でしょうけどネ

 

で、(2011/05/10)
そんなこんなで、『海賊戦隊ゴーカイジャー』第11~12話は、仲間どうしの熱~い絆が再確認されるお話だったのですが、ただソレ系のエピソードというのは、ある特定のフィルター(品番が #801-BL のもの、通称「腐ィルター」(^o^;))を通すと、ちょっとちがう見え方もするもんなんですよね~(*^_^*)
まぁこの点、あちこちの感想ブログ等を見てみると、特にマーベラスとジョーの出会いの回想場面を中心に、燃えて萌えて悶死した人が多数いる模様なので、もはやウチでは繰り返しません。
が、ワタシ的にツボだったのは、11話の終わりのほう、負傷したマーベラスがソファに横たわるのを心配して、他のメンバーもその周りで仮眠している際、隣り合っているアイムとルカ、そしてそこで眠っているアイムがルカの腕にしがみつくようなしぐさを見せるカット。応えてルカも無意識に頭をアイムのほうに寄せます。うーん萌え~(*^_^*)
さらに12話のラスト。戦い終わって大団円というところで、突然がっくり膝を落とすマーベラスが単に腹減った~♪だったことにウケた他のメンバーの中で「もぉ~しょーがないなー、ウチのキャプテンったら☆」みたいなニュアンスでアイムとルカが視線を交わして微笑みあうところ。きゃ~萌え萌え\(^o^)/
どちらも1秒にも満たない画面ですが、ぃやーコレはおいしい!!
てゆーか、ソレに百合萌えするかどうかは別としても、こうした描写を丁寧にするかどうかが、シリーズの中でも名作か否かを分かつポイントであるようには思います。

えぇっ?
あれから志葉家の屋敷に帰った薫姫が、ひとり部屋で海賊衆たちの熱い絆を思い返してほくそ笑みながら熱い妄想っ!?
………ワタシ的には、その発想はなかったケド(^_^;)


 


映画『大奥』はジェンダーの入門編に好適か? [メディア・家族・教育等とジェンダー]

以前にも述べたとおり我が娘・満咲が昨今はジャニーズアイドルにハマったりもしている関連で、今般[ 嵐 ]の二宮和也が出演の映画『大奥』@原作:よしながふみ/男女逆転バージョン をDVDにて観る機会を得ました。

簡単に言うと、特殊な疫病の流行によって男性の人口が極端に減り、そのために男女の性別役割が逆転した社会状況になった徳川時代・将軍吉宗の時代の江戸が舞台のお話です。

実際に鑑賞してみると、さすが原作もしっかりしているだけあって、「男女逆転」の真髄をソツなく描いていたと言えます。

やはり、「女」とか「男」といった区分に基づくさまざまな規範、組織・集団における位置付けや権力関係、そしてそれぞれの区分に割り振られた個々人やその集合体の行動特性……などは、社会的に構築されたものであることが、あらためてよくわかります。
※いわゆる男性的職業などもすべて女性が携わっている様子や、大奥内での新人いびり等が古典的な少女マンガの女子集団内イジメ風だったりする描写も秀逸
もちろん将軍吉宗を筆頭に著名な歴史上の人物も性別逆転

社会状況が変われば、「女」「男」の意味づけも変わる。
――あまつさえ、恋愛やセックスをめぐるパワーバランスのベクトルさえ。
※男が少ないゆえに「性の商品化」は男性においておこなわれ、“買う”のは女性のほうだったり

そのことを、このように映像化して見せてもらえることは、なかなかにありがたいことではないでしょうか。

「女」「男」にまつわる各種の定説は、決して絶対不変の宇宙の真理ではなくて、それらが現在はたまたま社会の構造と親和的であるために、そうであるように見えるだけなんですねぇ、本当は♪


ただ、高校の人権学習などで、この映画をジェンダー論の入門編に使おうというのであれば、やはり若干の予備知識が事前に必要かもしれません。

とりあえずノーマルバージョンの『大奥』も知っとかないと比較になんないし(^^ゞ

あと、将軍・徳川吉宗が名君だったという認識も、観客が歴史事実として教養化しているという前提でストーリーが組み立てられているので、日本史の勉強が相応に進んでいることも望まれましょう。

プラス、吉宗公が人々の暮らしを知るために町人に扮して街に出歩いていたり、お庭番を密使として情報収集などにあたらせていたとかも。
……あぃや、ソレは史実とゆーよか『暴れん坊将軍』の設定であって、かなりフィクションでしょうケド、でもまぁやはり現代のテレビの時代劇を下敷きにしたような演出もいくつかあったので(^^ゞ


   

映画DVD↑とガイドブック、↑そして原作コミック
こちらは↓男女非逆転ノーマル版↓『大奥』のひとつ&ついでに『暴れん坊将軍』

  


シンケンジャーに姫レッドあり! がココで生きてきた [メディア・家族・教育等とジェンダー]

本日の『海賊戦隊ゴーカイジャー』第11話は、『侍戦隊シンケンジャー』とのコラボ編でした。
  ※11話→十一なので士←侍 …だったの!?
(ただし内容が盛りだくさん過ぎて1話完結せず来週につづく

10話までで、過去戦隊のオリジナルキャストが登場してゴーカイジャーの面々と絡むエピソードでは、やはりそれぞれの戦隊のレッドだった人が登場するというパターンでしたが――

でしたが、ソレを今後も遵守しようとすると、無理も出てくることは想像に難くなかったところです。
たしかに戦隊チームの中でも、やはりメインはレッドであり、レッドこそがその戦隊の代表ではあるんですが、例えばそれぞれの戦隊の最終回がどうなっていたかみたいな物語の設定上の問題も考慮しないといけないし、あるいは、役者さんの都合なんてゆー大人の事情もあるわけですから。


◎本日のアクションシーンでのゴーカイジャーによる過去戦隊への多段変身のひとつはギンガマンでしたが、いいんでしょうか!? 宇宙海賊がギンガマンに変身して(^^ゞ 『星獣戦隊ギンガマン』ってったら、敵が宇宙海賊でしたからねー☆
てなわけで、『ギンガマン』編があるとすれば、快く出演してくれそうな役者さんは、やはりギンガブルーの照英さんでは??
「フッ、まさか宇宙海賊に地球を守ってもらうことになるとはな……」
なんてセリフ希望(^^)

タイムレンジャー』編もオリジナルレッド@永井大の出演が大人の事情で無理っぽいと言われているところ、個人的な希望を出してみるなら、あの女性カメラマンだったホナミちゃんが10歳に成長したドモンの子とともに登場!!
なんてどうでっしゃろ?(*^_^*)
『未来戦隊タイムレンジャー』あの最終回のラストが、ここへつながるとわ!! …を期待


シンケンジャーにおいても、1年間のシリーズを通じてシンケンレッドに変身して戦った、いわゆる殿レッドのほうは、どうやらその役者さんのスケジュールの都合が合わないという事態になったとみられます(ゴセイジャーといっしょに映画に出た後、一般ドラマや映画にも。松坂桃李ブレイク中ッスね)

しかぁし!(←関智一さんのナレーションふうに読んでください♪)

そう、シンケンジャーには、もうひとり、姫レッドもいたんですねぇ!!(^o^)丿

おぉ、ソノ手で来たか!
『シンケンジャー』本編での巧妙な設定が、ここでまたこんな形で生きてくるとは!!


 ★当ブログでの姫レッド登場当時の【シンケンジャー】関連記事抜粋
戦隊シリーズ初の女性レッド、シンケンジャーに登場って!?
シンケンレッドはカミングアウトすべき事情を抱えたヒーローだった!!
シンケンジャーから見る『こうあらねばならない自分』と『そうなりたい自分』
シンケンジャーは本当に親権ジャーだった!?
シンケンジャーに見る補助・ケア労働の不可視化の可視化
  §その他サイドバーの検索ボックスで絞り込みもできます§


長い戦隊シリーズの歴史の中には、通年レギュラーではなかったにせよ、こういうレッドもいたのだと――つまり、世の中はけっこう多様なんだよと――いうことが、この機会に、あらためて周知されるということは、公平に見て、意義のあることだったのではないでしょうか。


まぁたしかに物語の設定上は姫レッド・志葉薫のほうが本来は本物のシンケンレッドであるとはいえ、番組的にはメインのシンケンレッドは殿レッド・タケルだったわけで、この点、少しネットを検索してみても賛否両論あるのは必然かもしれません。

でも、殿レッドは『ゴセイジャーVSシンケンジャー』でも活躍したわけですし、バランスを考えると、ここは姫レッドが出演というのは妥当な気はします。

個人的には夏居瑠奈チャンの凛とした志葉薫姫役演技、そして丹波爺との絶妙な掛け合いが再び見られたのはうれしいですネ(^^)。

 


◎今回は敵の司令官にして宇宙帝国ザンギャック皇帝の息子である「ワルズ・ギル」、通称「殿下」…というかネット上の感想ブログなどでは「バカ殿」(^_^;)――が、調子に乗って前線に出てきた挙句、負傷・流血して狼狽えるシーンがありましたが、そこでのセリフ、
「今まで父上に叩かれたことさえなかったのに……」
ぃや、↑それ↑、ファーストガンダムのアムロのセリフのパロディですかぁ!?
と、一瞬軽くツッコミを入れたんですが、よくよく考えると、マーベラスにレンジャーキーを託した謎のアカレッドもどき(たぶんアカレッドただしVer.35th)の声って他ならぬガンダムのアムロと同じ古谷徹その人!
もしかしたら何かの伏線だったりする深い意味のある描写だったのでは?


◎ところで(2011/05/18)
ちょうど前記事で触れられている宮崎県の人権啓発キャラクター[ いじめ・差別・偏見なくし隊 ジンケンジャー ]ですが、ネットをいろいろ見てみると、どうやらそちらのほうが本家で『侍戦隊シンケンジャー』よりも以前からあったみたいなんですねぇ(^^)
……やっぱりシンケンジャーは影武者で本家は別にあった!?(^^ゞ


 

 


 
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