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「LGBT」など性的少数者の人権、セクシュアリティの多様性、クィア論、男女共同参画などや、そうした観点に引きつけてのコミュニケーション論、メディア論、「アニメとジェンダー」など、ご要望に合わせて対応いたします。※これまでの実績などはお知らせブログにて

大根の葉っぱを有用な食材と語るヒーロー番組 [メディア・家族・教育等とジェンダー]

本日の『海賊戦隊ゴーカイジャー』第8話。
いつものように料理担当のグリーン、ハカセことドン・ドッゴイヤーですが、今回、なんと大根の葉っぱを捨てずに活用していることが判明!(^o^;)

いゃ、たしかに大根の葉っぱは迂闊に生ゴミにしてしまってはもったいないことでは、ブロッコリーの茎と双璧を成す存在ですけどネ♪

とはいえ、ソコまで細やかな工夫をしているゴーカイジャーの料理担当、
レベル高ぇヨ!! ハカセ~(^o^)丿


てゆか、この人たち、地球に来てまだ2ヶ月。
そのわずかな間に、ハカセってば、地球の食材について、いろいろ研究を重ねたのでしょうか?
(宇宙にも類似した野菜があるのかもしれませんが)

前回の第7話、ゲキレンジャーとのコラボ回では、ハカセが「高みを目指して、学び、変わる(←『獣拳戦隊ゲキレンジャー』のテーマのひとつともいえるキャッチコピーだった。まぁ、拳法の修行に限らず、コレは何においても大事なことでしょう。進歩がないことと、ブレないことは違いますから)ことの大切さに気づくエピソードが物語の中核をなしていましたが、こうして見てみると、ハカセ、少なくとも料理などの得意分野・専門分野では、それ以前からすでに実践中だったのでは!?

拳法の修行を面倒がって逃げ帰るときの言い訳「今から晩ご飯の支度をしないといけないから」というのも、一面では事実でもあるでしょうし、現実、その理由をもって他のしたいことを断念している人――現行社会では主として女性――も世の中には多いことに鑑みると、そうした日常の仕事をこなしていくこともまた、ゴーカイジャーとしての本業(…って「海賊」が建前ですケドね(^^))と同等の重要なことだと言えます。


◎ちなみにあの「捨てないで~!」のシーンは、思いのほか含意のある場面なのかも!?
今回の第8話では、ゴーカイジャーの他の4人の過去の一端が明かされましたが、ハカセについては大したことがない(by敵の宇宙帝国ザンギャック幹部)とスルーされたのは、むしろ視聴者的には最も大きなドラマを秘めている可能性もありますし。
いずれにせよ、ゴーカイジャーの5人が地球にやって来た第1話というのは、さしずめ『ワンピース』で言えばグランドラインに入ってしばらくしたあたりであって、つまるところ、そこに至るまでの経緯には、コミックス十数巻分以上のエピソードがあるということなのでしょう。
それらを今後すべて本編で描ききる話数の余裕は……というと、ちょっと怪しいので、おそらくは、劇場版に回されるのでは!? という予感。
過去のスーパー戦隊の大いなる力をめぐっての展開も、今のペースだと1年に収まらないので、同様にかなりの部分を劇場版に頼ることになると考えるのが順当だと思います。
それだけ作品世界の奥行きがあるのはイイことなのですが、ただ少なくとも、テレビシリーズの最終回は、キチンと結末を描いてほしいものです。
仮面ライダー ディケイド』の戦隊版と言われることも多い『ゴーカイジャー』ですが、最終回まで真似されたらヤだなぁ(^_^;)
ノーモア!「そういえば『宇宙戦士バルディオス』の最終回も、こんな最後だったね」


なお、大根の葉っぱを、私たちが実際の日々の料理でどう活用するかとなると、もちろん創意しだいでいかようにもなるのですが、例えばウチの本館手抜きレシピのコーナーなら、「#031 ポタージュのほうれん草ベーコン」とか「#033 ソーセージのコンソメグラタン」とかにおいてが使いやすいのでは?

あ、ついでに「#025 ブロッコリーの茎炒め」もご参考に!(^o^;)


 


佐倉満咲、また「その2択」で悩む [今週の佐倉満咲]

なにはともあれ4月です。
春です。
新年度です。

東日本大震災の被災地での、未だ再開できない学校とか、避難先の小学校へ転校の措置になって新学年を迎える子どもたちの様子を報道で見聞きすると胸が痛みますが、それらも含めて、新生活を始めるすべての人々にエールを送りたいです。
(ちなみに今年度の“岩船山登り”はまだです。来週くらいかな?
 …今年の年次テーマ曲はもしやS.R.S『 Real Lie 』か!?)

でもって、新学期にともない、わが娘・満咲も6年生に進級いたしました。
早いものです。(^o^;)
(ということは『うちの3姉妹』の長女・フーちゃんもか)
本日の始業式ではクラス替えの発表などもあって、悲喜こもごもといったところのようです。


そんな満咲ですが、学校での新学年に先駆けて、先日にはベネッセから、進研ゼミ小学講座の教材も新年度用の通年セットを含む6年生4月分教材――だから4月分だけは他の月の分よりも中身が多くてダンボールがドカっと1箱――が届きました。

そして、その中にはベネッセのサービスである全員プレゼントのようなものも入っていました。

まぁサービスというか、早期に翌年度の教材の希望コースを登録してもらって準備をスムーズに進めたい&そもそも次年度も継続受講してもらいたいというベネッセ側の思惑に基づいて、会員向けに、そのインセンティブを提供する措置ではあるんですけどね。


で、そのサービス品というのが、まぁ簡単に言うと教材入れのポーチのようなものなんですが、これがじつは、3タイプのデザイン(というか色…というか模様)がありまして、いずれを希望するかは、その前年度時点での「翌年度の教材の希望コースを登録」の際に選択することになっていました。

3タイプの内訳は…
 ピンク
 ブルー
 シルバー
……となっておりまして、

 BL110408Pink-or-Silver.JPG

ぶっちゃけ、ピンクは女の子向け、シルバーは男の子向け、そしてブルーのがその中間・どっちもOK という想定であることは、社会通念に照らして読み解けば明白でした。

保育園時代の満咲などは、あまり性別に基づいたバイアスの少ない中性的な色を選ぶことが多かったですし、一般的に言って、典型的な女の子らしさ・男の子らしさに当てはまることに親和的でない子どもたち(いわゆる性同一性障害のようなケースも含めて)は少なくないでしょうから、ここで言う「ブルー」のような中間的ポジションの選択肢の設定は、好ましいものと考えられます。


さて、そんな3択を前に悩んでいた昨秋の満咲。

「うぅーん、どっちにしょうかなぁ…」

どうやら、3つのうち、2つには絞ったようです。

「やっぱりピンクがカワイイけどなぁ……

 それとも~


 やっぱり、やっぱり


 シルバーにしょうかなぁ~」

 


え゛!?


………その2択ですか!


せっかくの(?)ブルーの立場ナシ!!

 

まぁ満咲のように、「女の子だからピンクを選ばなければ」「ピンクを選ぶのが女の子として正解」というようなジェンダー規範にとらわれていなければ、純粋に自分としてはどれがイイか……で考えられるので、必然的に、こういう思考パターンにもなりうるんですねぇ(^o^;)

そんなこんなで、満咲は結果的にはピンクを選んだんですけどネ♪

※ただ、一般に、たとえ純然たる自分の好ましさによって考慮を進めたとしても、最終的に、例えばピンクかブルーかが fifty-fifty な女の子には、こうしたジェンダー規範に基づく周囲の反応――ピンクを選んだほうが好意的なリアクションが得られる――が、ピンクを選択させる力学として作用することはありえますし、そうした結論の堆積が「女の子はピンク」というジェンダー規範を再生産していくわけでもあります。このような構造を、ジェンダー秩序なり、ジェンダー体制と呼ぶことができるわけです。


いずれにしても、小学校最後の学年・6年生のスタートです。
何事にも、今まで同様、一生懸命に楽しく取り組んで、充実した1年間を過ごしてください。

 


性別を変えるためのモノが、そんなところで売られてた!? [多様なセクシュアリティ]

トランスジェンダーが幼いころ、とみにFtMの人にあって、「デパートでオチンチンを買ってきて!」と親に要求するようなことは、性同一性障害をめぐる当事者の不満足や周囲との軋轢――の詳細は拙著『性同一性障害の社会学』などにもまとめてありますが――を表す一挿話として、しばしば語られるエピソードではないでしょうか。

むろん、そんなモノが百貨店でフツーに取り扱われているはずはなく、実際に買ってきてもらえた人はいないでしょう。


しかし!
世の中は広い。
しかるべきところには、しかるべきものが売られていたりするのです。


先日、私が某家電量販店でパソコンの周辺機器を探していたときのこと。
接続ケーブル類の売り場で、ふと棚の一角に目をやったとき、驚くべき商品名が目に飛び込んできました。

その名は!!


ジェンダー チェンジャー !


(゜レ゜!)/

「な、な、なんですとぉっ!?」

まさかソレを使えば簡単に性別が変えられるとか!?
いゃ単に『トランス戦隊 ジェンダーファイブ』の変身アイテムみたいな?
いずれにせよ、なぜそんなものがこんなパソコンパーツ売り場にっ!!


……0.3秒ほど、そういう妄想が頭を駆け巡ったのち、私は真相を悟りました。

そう、よく見ると、アレでした。
簡単に言うと、線をつなぐ際の「変換アダプター」。

つまり、ケーブル終端の接続コネクター部分の形状が、凸どうしだったり、凹どうしだったりすると、つなぐことができないので、そのような場合において、一方を凸から凹へ、あるいは凹から凸へと変えるために取り付ける補助器具だったのです。

コレを、人呼んで【 ジェンダーチェンジャー 】と形容していたわけですネ。


なぁ~んだ。
人騒がせな(^^ゞ


とはいえ、迂闊にも、知りませんでした。
このときまで。
この種の器具を そんなふうに呼ぶとは。

いちおう電気製品の接続は得意なほうだし、高校のときの放送部でもそれなりの仕様の音響機器の接続など手がけていたんですけどねぇ…。
ワタシ的には今まで「変換アダプター」としか表現してなかったです。


しかも、帰ってあらためてネットを検索してみると、これは特定のメーカーだけの商標名なのではなくて、かなり普遍的な言い回しになっているようです。

あまつさえ、日本国内だけではなく、英語圏でも同様に「gender changer」と呼ばれているとか。
いゃ、むしろ英語圏での表現のほうがルーツなのでしょうか。


なお、ここまで読んでイマイチ話が見えないという人のために、念のためしつこく解説すると、このような電気製品の配線をおこなうような人々の間では、一般にケーブルの端っこのコネクター部が凸のものを「オス」、凹のものは「メス」と言い表しているんですねぇ(*^_^*)。

でもって、これまた日本語圏のみならず、英語圏でもやっぱり「male」「female」というんだそうです。

そんなわけで、
凸「オス」→ 凹「メス」
凹「メス」→ 凸「オス」
という具合に“性別”をチェンジする器具だから「ジェンダー チェンジャー」だ
――ということなんですナ


えっ、でも、社会学的には「ジェンダー」は社会的・文化的な性別(というのが教科書的に説明した基本的な意味)のことであって、この場合「セックス」の語が生物学的な性別の意味で対峙するのだから、その観点からは、これらの変換アダプターは「セックス チェンジャー」と呼ぶべきでは!?

たしかに、そういう指摘もありえます。

ただ、実際のところ、例えば生物学の分野内――なので生物学的な話をしているに決まってる――などでは、生殖行動のことが「セックス」なのに対して、「ジェンダー」を性別の意味で使う用法も一般的だったりするそうなので、そう考えるとあながちまちがいとも言えないみたいです。

いゃいゃ、それよりも、何よりも、単にパソコンのパーツを探しに来たケー○デ○キの店頭の商品名がいきなり「セックス…」だと、顧客がドン引きする!?(^o^;)

てゆか、有害フィルターが過剰反応したらオンラインショップで検索できないという厄介な実害も!?


というわけで、思わぬところで「ジェンダー」の語に出くわしたお話でした。


ついでに、拙著『女子高生になれなかった少年』において、メールマガジン連載時にはあったのに、書籍化の際に分量の都合で削られた箇所を大公開!(^o^)丿
  ↓  ↓  ↓
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

文化祭前日は生徒会の手伝いや放送部の仕事で、
これまた大忙しだった。
視聴覚室の前をたまたま通りかかると、
生徒会の後輩の田近菜奈と柴山杏子がおろおろしていて、
私の姿を認めるや否やすがるように訴えてきた。
「小川先輩! ここの配線わかります?」
「森川くんが
 中庭のステージのほうに手間どっていて来れないんです」
視聴覚室は8ミリ映画の上映会場。
その音声の配線の接続は放送部は管轄せず、
文化祭実行委員のほうですることになっていた。
困っている後輩に頼られて、見捨てていくわけにはいかない。
私は快く作業を請け負った。
「ありがとうございました!」
「本当にスミマセン」
菜奈と杏子から感謝され、尊敬され、好感度がアップして、
私は上機嫌だった。
こうした電気系での活躍は、
私が女の子たちの間で男としての株を上げる貴重なカードであった。
「マッくん、遅いやんかー!」
急いで体育館に移動すると、
瓜野幸子がややおかんむりだったがしかたがない。
演劇やコーラスがおこなわれる体育館のステージの音響のほうは、
放送部が全面的に面倒を見ることになっている。
当日も交代でミキサーの前に詰めなくてはならない。
私たちは協力して用意を始めた。
ステージがよく見える位置にミキサーを設営し、
方々とケーブルをつながなくてはならない。
そう、ここでも私は電気系の配線で活躍することになるのであった。
「モモちゃん、エンコー!!」
私は春風桃子に向かって叫んだ。
「援助交際」なんて言葉のなかった当時、
放送部員は延長コードのことを臆面もなくそう呼んでいた。
「先輩、コレでいいですか?」
桃子の持ってきたケーブルの太さは合っていたので、
私はそれを受け取ると手元のケーブルの端と合わせてみた。
「………………………。
 アカンやん、コレ。メス-メスじゃつながれへん。
 こっちの端っこがオスのやつないかな!?」
ケーブルの端のコネクターの形状が、凹か凸かを言っているのだが、
こうして見ると、なぜか
放送部の会話はまじめな活動のときほどきわどい。
かくして文化祭前夜があわただしく過ぎると、
文化祭本番の二日間も、あっと言う間だった。
体育館のミキサーの当番を桃子と二人でするひとときもあり、
私の桃子への想いは、この文化祭とともに大きくもりあがった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ちなみにが書籍化の際に省かれたのは、あくまでも分量の都合であって、同様にメルマガ連載時の内容が書籍化で削られているのでも、その理由が「マジちょっとヤバいから」(!?)な『M教師学園』とは事情がちがいます(^^ゞ

   


 
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