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スマイルプリキュアのハッピーエンドが見えてきた [メディア・家族・教育等とジェンダー]

プリキュアシリーズの放送スケジュールにおいては例年そうであるように、1月に入って『スマイルプリキュア』もクライマックス、いよいよ最終決戦態勢になりました。

番組として、どのようなバッドエンドを回避する様を描き、いかなるハッピーエンドを用意しているのかは、最終回までの残り4話を見守るしかありません。

ただ、物語中で敵陣営を「バッドエンド王国」と名付け、未来を「ハッピーエンド」に導く伝説の戦士がプリキュアだと位置づけたのが、今作の基本設定です。
その『スマイルプリキュア』が、メイン視聴者として想定されている子どもたちに対するメッセージとして、「ハッピーエンド」の真髄たるものに何を提示したかという、作品の根幹となるテーマについては、いかばかりなものだったのでしょうか。

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→東映アニメーション公式サイト『スマイルプリキュア』
  (引用画像はこの公式サイトよりキャプチャ)


5月に私が「スマイルプリキュアのどこがおもしろいのか説明できない」の記事を書き上げた時点では、そのあたりが今ひとつ茫漠としていました。

見ていて楽しく、すがすがしい気分になれる、面白いアニメであることは強く体感されますし、そしてそれだけでじゅうぶん作品として価値はあるとはいえ、その素晴らしさを論理的に説明するとなると、そのための取っ掛かりがなかなか物語中に見出し難かったのが、当時の状況でした。

しかし、それから半年以上が経過し、物語が積み重ねられた中で、いちおうの解答は得られてきたのではないかと思われます。
コメント欄やツイッターで頂戴したご意見にも、特にQuarrelBlueさんのものには、非常にインスパイアされました。あらためてありがとうございました。


まず、ひとつ指摘できるのは、『スマイルプリキュア』では、一般的に言われる「ハッピーエンド」を、それは真にハッピーな結末ではないと暗に述べている点です。

敵陣営が「バッドエンド王国」なのに対して、プリキュア側は「メルヘンランド」であって、単純に「ハッピーエンド王国」とはされていないという、少しひねったネーミングも、その意味ではミソだったのかもしれません。

ちなみに「メルヘンランド」は、そのように名指されるだけあって、童話やお伽話などをモチーフとした異世界として描かれています。

そして、それを受けて素直に連想を働かせれば、そうした「童話やお伽話」のラスト――典型的なもので言えば「こうして白雪姫は王子様と結婚して幸せに暮らしました」をこそ「ハッピーエンド」なのだと言っているのではないかと解釈することも容易いです。

ところが、どうもそうではなかったようなのです。

何がハッピーエンドか……については、たしかに未だ明示的には示されていません。
ただ、敵陣営「バッドエンド王国」側からは、彼らが望む究極のバッドエンド像としての「怠け玉の中の世界」が、9月放映の第31~32話にて開陳されました。

それは、敵上級幹部ジョーカーの言によると「苦しいことはすべて忘れて、何も考えずずーっと食べて遊んで居られ」る世界なのだとのこと。

実際その「怠け玉」に閉じ込められてしまった人は、面倒なことは何も考えずに楽しいことだけを追求するだけに堕落してしまいます。
それに呼応するかのように、その世界には、何でも食べ放題で乗り物にも乗り放題の遊園地まで設えられており、あまつさえ遊びたいだけ遊んで好きなだけ寝ててもイイ、学校もない、宿題もない、嫌なことは何ひとつない――。

23話の暫定クライマックスでも一旦復活した敵の皇帝ピエーロが「すべてを怠惰な世界に…」と言っており、そのときはイマイチ意味がよく掴めずにスルーした視聴者も少なくはなかったはずなのですが、つまりは人が自ら考えて自分の行く道を決め前へ進む努力を放棄した世界こそが、究極のバッドエンドなのだということだったわけです。

いゃ、でも、しんどいことはなく楽しく過ごせる世界なら、ソレって「ハッピーエンド」なんじゃね?

……たしかにそういうツッコミも可能です。

そして「ラクになること」を一概に否定するのもまた、ある種の隘路に陥る危険があります。

しかし、事前に誰かに勝手に決められた、お仕着せの幸せの形に嵌ることが、本当にラクなんでしょうか?
なんだか知らないうちに、ソレこそが幸せなんだよと設定されていて、まわりのみんなもその言説を信じこんでしまっている、それに自分も合わせることが、真にハッピーなんでしょうか?
ソコからはみ出すことは容易ではなく、罪悪感さえ抱かされてしまう……。

それに抗わないことによるラクさと、そういう「お約束」を相対化する視点に目覚め、そこから逃れる道筋を見つけることで得られるラクは、似て非なるものではないでしょうか。

そしてそういう、決められた幸せの形を大した努力もなしに手にし深く考えずに受け入れたラストの典型例が、何を隠そう「こうして白雪姫は王子様と結婚して幸せに暮らしました」なのではありませんか。

『スマイルプリキュア』は、それを敢然と否定しにかかった――。
いわばディズニーアニメ的な安易なエンディングに、真っ向から喧嘩を吹っ掛けたと言えるかもしれません。

なるほど。

つらい、苦しい、それは自分で選んだりしたから、自分の生きる道を貫いたから。
すべて支配されて、決められたとおりの行動だけしていれば、何も考えなくていい、めんどくさいことはしなくていい、失敗も後悔も悲しいことは何も起こらない、とってもラク。

……そう詰め寄る敵陣営・超管理社会「ラビリンス」の上級幹部ノーザにキュアピーチたちが反駁しながら戦いを挑んでいた3年前が思い起こされます。
『スマイルプリキュア』は、『フレッシュプリキュア』のテーマを発展的に継承し包含しているようです。

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 この怠惰な安楽は本当の幸せ?[画像は放送画面より(以下当記事中同じ)]


それでは、その点も踏まえて見たときに、そんな『スマイルプリキュア』、本当のハッピーエンドの要件としては、何を挙げているのでしょうか。

凡庸な表現にはなってしまいますが、それは端的に言えば「結果よりも過程が大事」ということ。

結末は必ずしも当初の狙いのとおりとは限らないかもしれない。
がんばった果てに何が待っているかなんて、先のことはわからない。
それでもあきらめずに前へ進んでいく、そのプロセスの中にこそハッピーの要素がある――。

まとめるとだいたいそんな月並みな言葉になってしまうのですが、それゆえにか、『スマイルプリキュア』作中では、このことを手っ取り早い言語表現は副次的に用いるのみで描ききっているのはスゴイと言うべきです。

第10話「熱血!あかねのお好み焼き人生!!」や15話「ドタバタ!みゆきの母の日大作戦!!」は、主人公らが製作したモノが見た目は不細工でも、そこに込められた相手への気持ちが何より大切なのだというお話でした。
形になって表出した結果よりも、それが作られる中途に何があったかが大事なことだと。

第16話「れいかの悩み!どうして勉強するの!?」も示唆的でした。
スマイルプリキュアの5人の中では知性担当・青プリキュアのキュアビューティに変身する最も勉強も得意な青木れいか嬢が「勉強する理由・目的」について悩むエピソードです。
そして紆余曲折を経て、勉強を続けていった先にあるものよりも、いろいろな事柄を学び続けることで、少しずつ向上していくことが自分の【道】だと結論づけるのです。
そこで引用されるのは、日曜朝の幼児向けアニメとされる番組としてはまさかの高村光太郎「道程」の詩の冒頭。
すなわち「僕の前に道はない。僕の後ろに道は出来る」!
そのとおり。
初めから道があるわけではないのです。
自分が進んだ足跡が道となるのであり、その軌跡こそが、何より自分だけの宝物に裏打ちされたハッピーエンド。
他人からの評価なんて気にしちゃダメ。

ちなみに青木れいか嬢はこの後も【道】が個人テーマとしてシリアスにもギャグ描写にも継続していきます。
そして第43話「れいかの道!私、留学します!!」ではその集大成が描かれるのですが、そこでもイギリス留学の選抜メンバーに選ばれたという名誉ある、傍目には素晴らしくも幸運な立場よりも、自分の気持ちに素直に従った選択を優先すべきという結論に至ります。他者から見たシアワセの形を受諾するよりも、本当に自分の今したいことを貫くことがハッピーへの道というわけです。

他にも第36話「熱血!?あかねの初恋人生!!」は、(下手に異性愛主義的ロマンチックラブイデオロギーに与して陳腐なロマンスを挿話した挙句、女性主人公の主体性が損なわれてしまい、本来の女児向けの物語としても評価できないストーリーになってしまわないように配慮されているとワタシが勝手に評価しているプリキュアシリーズにあっては珍しく、しかもけっこう爽やかな)恋愛回だったのですが、その展開に絡んで、敵幹部が「恋して付き合ったって最後は別れてオシマイ。だからそんなのは無意味で無駄」というふうに主人公たちへ言い放つくだりがあります。
いゃ、これは正しいです。
特にプリキュアたちはまだ中学生。
中学生カップルなんて、むしろそうこうしているうちに別れるほうが自然です。
中学生のときから交際してやがて結婚に至ったなんてケースのほうが希少でしょう。
しかし、主人公・星空みゆき変身のキュアハッピーは(別れてオシマイ自体は否定することなく)「でも、それが意味がないなんて、そんなの寂しい」。
そしてこの回スポットが当たっている日野あかね変身のキュアサニーも「離ればなれになったとしても一緒に過ごした時間は消えへん!」」と反論するのです。
そう、こちらも真理です。
いくつも恋して、それが実らなかったり実ったり。
実ってもやがてすれ違って別れていったり…。
そうやっていろいろな経験を積み上げていく過程もまた、いつか人生の糧になります。
当然ながら(繰り返すと)「結婚」はゴールではなく、必ずしも「ハッピーエンド」なわけでもないのです。
私自身も若いころを顧みると、もちろん「両想い」に至った恋愛経験自体が数少ないとはいえ、どちらかと言えば片想いに終わった恋のほうが印象深く記憶されているし、ついに報われなかったにもかかわらず、あの日あのときあの子のことをとてつもなく好きだったという自分にとっての事実が、齢を重ねた現在もなお自分の中の重要な部分を占めているという実感はあります。
やはりリア充恋愛のみが価値を持つわけではないのですね。
表面的な結果だけで物事を判断してはいけません。
(加えてここは「恋愛」だけが他のいろいろな事象に比べて特別に尊いと主張しているわけでもありません。Aセクシュアルの人を否定する意図はありません。また言うまでもなく「恋愛」は異性間でするものだとは限りませんよ)

そうしてこの「結果よりも過程が大事」が最もわかりやすく描かれたのが第18話「なおの想い!バトンがつなぐみんなの絆!!」でした。
いわゆる体育祭回です。
ホームルームでクラス対抗リレーの選手を決める際、俊足の緑川なお(筋を通して直球勝負が信条のキュアマーチに変身)はクラスメートから出場を嘱望されるものの当初は固辞します。
しかし隣のクラスがリレーの選手を陸上部員で揃えてきているという情報にクラスメートたちが「じゃあ【どうせ】がんばったって無駄」「負けるに決まっている」のように声を上げることに心が刺激され、彼女は一転リレー選手を引き受けます。
一方、同様にリレー選手として指名された黄瀬やよいあざとい可愛さの黄色プリキュア・キュアピースに変身)は昔から駆けっこは苦手で運動会では常にビリという経歴の持ち主。
「だから【どうせ】練習したって自分は速く走るなんて無理」
そんなふうに言うやよいをなおたちは励まし練習に勤しむことになります。
この18話時点ではまだ視聴者には明示されていないのですが、上述の第31~32話での「怠け玉」の件をふまえると、この【どうせ】こそがまさしくバッドエンドへのキーワードだというのがよくわかります。
その後あきらめずに挑戦することが称揚される展開を経て、いよいよ体育祭のリレー本番となります。
第4走者としてバトンを受け取ったやよいは次々と後続の走者に抜かれるも、なんとかビリにはならずに踏ん張ります。
その奮闘にクラスメートたちも皆思わず声援を送ります。熱い展開です。
そしてバトンを受け取ったアンカーのなおは、前を走る他選手をゴボウ抜き。トップへと迫ります。
誰もが息を飲みます。
あと少し!
「なおちゃん!!」
思わず叫ぶやよいの声になおが最後の力でスパートをかけます。
速い。
確実に1位走者を追い抜くスピードです。
なるほど。
「今日のプリキュアは【どうせ】などと言わず、はじめからあきらめたりしないで、みんなで力を合わせてがんばってみる。そうすることで不可能も可能になる。勝ち目がないと思われた競技で勝利することもできるんだ――。そのことの大切さを描いて見せてくれたのでした」
プリキュア感想を毎週ブログに書いているブロガーの人たち(←ブログ全体でも月イチ前後の更新にしかなってないワタシから見ると、その労力に頭が下がります)は皆、この日の記事はこんなふうにまとめようと思ったことでしょう。
ところが……。
次の瞬間、予想を覆す事態が発生しました。
トップになりかけたそのとき、なおの足がもつれます。
まさかの転倒。
「えぇっ!?」
2012年6月3日 午前8時53分。
すべてのプリキュア視聴者が絶句しました。
無情にも倒れているなおの傍らを後続の走者が駆け抜けていきます。
結果はビリ。
最初からあきらめて何もしなかったときと、おそらくは同じ順位となってしまいました。
結局は……。
でも、それじゃぁすべては無駄だったのでしょうか?
いいえ、それはちがいました。
肩を落とし涙を流すなおのもとへ、みゆき、やよい、あかね、れいか、そしてクラスのみんなが次々と駆け寄ります。
「凄かったよ~っ」
「あきらめないでよかったー」
みんなを満たしていたのは、悔いのないように全力を尽くした満足感。
誰もが感涙しつつも、輝いた笑みを浮かべています。
「…私も、みんなと走れてよかった」
そうつぶやいたなおもまた笑顔になります。
これが、最初からあきらめて何もしなかったときには得ることができなかったものであるのは明らかです。
表面上の順位はビリという同じ結果であっても、その内実には雲泥の差があります。
したがって、形に表れる成果だけを尺度に「ハッピーエンド」か否かは語れない――。
そのことをかように鮮烈に描き出したこの『スマイルプリキュア』18話に、私は番組制作陣の本気を感じました。
なにしろ、あそこでなおを転倒させずに1位でゴールさせるという選択肢もあったはずです。それでもじゅうぶんに感動的なエピソードだったと思います。
にもかかわらず、半ば強引なくらいにそうした予定調和的な「ハッピーエンドの形」を避けた結末は、中途プロセスにおいて各人が何を得るのかにこそ意味があるという明確な主張だと思えたからです。
もちろん、勝利を目指して努力することは、みんなが一致協力するモチベーションにもなります。
YUIだって「勝ち負けだって本当は大事」と『fight』で歌ってます。
一概に結果としての勝ち負けを軽視はできないのも現実でしょう。
それでも、結果としての勝ち負けだけでは割り切れない価値もまた、現実の世の中にはたくさんある。
そこに光を当てていく作業もまた、誰かがやる意義があり、社会にとって必要なことなのではないでしょうか。

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 評価はビリでも悔いのない満足感…


一般に、結末が主人公の「死亡エンド」だったりする物語は、バッドエンドだと言われることになります。
しかし、よく考えてみましょう。

さだまさしの往年の名曲『主人公』にもあるように「自分の人生の主人公は自分」だとしたら、その物語のラストは絶対に「死亡エンド」なのです。

それを形式的にバッドエンドに分類していけば、世の中にハッピーエンドなど存在しなくなってしまいます。

肝心なのは「エンド」へ至る途上に何があったか。そのことに本人が主観的に思い入れを持っているか。
「ハッピー」か否かの分かれ目は、そもそもそこで判断するしかなかったのです。


思えば昨年の今頃、『スマイルプリキュア』の事前情報に触れ、バッドエンドとハッピーエンドをめぐる攻防だと知ったとき、私はいささか不安になったものです。

何がバッドエンドでどういうハッピーエンドがハッピーなのかについてキチンと掘り下げて描かれないのでは、単なる幸せテンプレの押し付けにしかならない多数派基準洗脳アニメにしかならないと思ったからです。

かといって、コレこそが究極のハッピーエンドだぁ! とばかりに、あんまりにも具体的な形を示されても、多数派基準のお仕着せであることに変わりありません。

しかし、見てきたように、そこで描かれたのはむしろ、未来における結果の形が「ハッピーエンド」か否かを左右するのではなく、そこへ向かって自分で考え自分の意志で仲間とともに歩んでいく日々そのものに内在する幸せでした。

決めるのは自分自身。

そうして『スマイルプリキュア』は、当初の予想を超える感動をもたらしてくれました。

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 そして少女は仲間とともに歩む未来のために凛々しく戦い続ける

『スマイルプリキュア』はもうすぐ最終回を迎えますが、視聴者自身の物語はこれからも続きます。
(そりゃまぁ新シリーズ『ドキドキ!プリキュア』も始まりますしw)

「白紙の未来を黒く塗りつぶす」ことそのものがバッドエンドであるなら、未確定の未来を自分で書き込むページがある限り、シアワセは終わらないと言えるのではないでしょうか。


   


(^^)


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コメント 4

コメントの受付は締め切りました
ソバスチン

1月6日の放送で今までプリキュアに立ちはだかっていた3幹部との決着がつき彼らは改心しました。
実はメルヘンランドの妖精だったということで少々唐突ではありましたが彼らが絵本の悪役モチーフであることを考えればテンプレートなハッピーエンドを嫌う事は大体理解できました。
基本的に伝承、神話における悪の化身というのは大抵その文化圏に敵対する物やマイノリティな物である事が殆どですからねぇ。
ウルフルンを例にとっても狼=悪とする価値観は酪農主体な西洋的なものですし。
 昨年度の教訓かスマイルは1話完結重視で1話毎にサブテーマがある構成であるためか若干マクロな視点でのストーリー展開が弱いと感じたのが正直な所でありますが
私が感じたこのプリキュアにおける「スマイル」とは苦難を乗り越えた上での笑顔であることかなと思っています。
「額の汗さえダイヤモンド」と主題歌にありますし、佐倉様の仰る通り過程で得るものを尊ぶ思想ですね。
それに対してピエーロの掲げる思想が「怠惰」な訳です。
この辺はスプラッシュスターの35話を彷彿させます、敵の「結果が出せねば努力の意味など無い。」
というある意味正論である主張に対して、最終回で回答を出した構成は当時感心しました。
結果が振るわなくともそこから得られる物はある、それがより良い結果への糧になる…という所でしょうか。

P.S.
次回作にして10周年作品「ドキドキプリキュア」のキャストが判明しましたね。
首脳部が変わったためか、今までに無い布陣に感じました。
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1301/07/news034.html
プリキュア、妖精共にリーダー格をベテランが演じ他は新人を多く起用という今までにない感じです。
スフィアの強いられた方、寿美菜子さんでも十分サプライズでしたが私が一番驚いたのは
主人公キュアハート役の生天目仁美さん、キュアロゼッタ役の渕上舞さんだったりしますw
渕上さんは美少女×戦車アニメ「ガールズ&パンツァー(ガルパン)」の主人公、西住みほ役を
生天目さんは同作品で、みほをライバル視する逸見エリカを演じています。
そもそもガルパンの声優陣は元プリキュア声優が多数出演しているので余計驚きましたねw
 私は元々ミリタリーオタクなので放送前から注目していたのですが、ここまで万人受けするアニメになるとは思いもよりませんでした。
佐倉様が注目している「ご当地アニメ」としてもかなり成功している作品です、舞台の大洗は大盛況だったようです。
某ガンプラが売れ残っているのを尻目にタミヤの戦車模型が在庫切れ。
海外のミリオタをも巻き込みネット戦車ゲームWoTが注目を浴びたりと各方面で予想外の反響です。
成功の秘訣はやっぱり「シュトリヒ」「オッドボール三等軍曹」のようなディープなネタを散りばめながらも
話の軸は、王道なスポ根アニメとして成立している所でしょうね。私事ですが、地上波TVアニメでⅣ号戦車が主役を張るなんて夢のようですw
魔法少女がロボットに乗るのがアリなら戦車に乗るのもアリでしょうw
by ソバスチン (2013-01-09 23:42) 

tomorine3908-

ソバスチンさま、毎度コメントありがとうございます。
「ガールズ&パンツァー」の評判は聞き及んでおります。迂闊にも事前情報を抜かしてしまい視聴のタイミングを逸して「失敗した」と思ってます。
スマイルプリキュア45話以降を踏まえた記事は、余裕があれば追ってまとめたいと思っていますが、さしあたり残り3話で何かどんでん返しがあるのではないかと踏んでいます。


さて、他の方からもいくつかコメントが寄せられているのですが…
他人のブログにコメントするにあたっての最低限度の礼節が守られていない、広くネット上に公開されるものとして適正な品位のある言葉遣いを逸脱している、まずもって自身のブログやツイッター等を利用して述べるのに値する内容のもの……などの場合を含む、当記事に対するコメント内容として妥当性を欠くと判断せざるを得ないものについては承認できません。
あしからずご了承ください。
なお当然ながら、それは「批判や反対意見を無視せず真摯に応対する」こととじゅうぶんに両立します。
互いに誠意を尽くした対話が可能であると、私に思わしめるだけの表現方法をもって、ご卓見お知らせいただけると幸いです。
※コメントとトラックバックについての注意事項をまとめた記事もご参照ください
http://est-tomorine3908.blog.so-net.ne.jp/chui_contact

余談になりますが(余談なので、これは今回のコメント云々とは無関係です)、何らかの説得や交渉・要求をおこなうのならば、相手に伝わらないと意味を成しません。
自分の発話が社会的効力を正当に持つのは、相手に理解され受容されてはじめて可能となることです。
そこを顧みずに、自己の正論を繰り返しても、相手は脅されているように受け取るだけなんてことにもなりかねません。
個別の状況に応じたコミュニケーションの手法を選ぶことが大切なのではないでしょうか?


話をスマイルプリキュアに戻しますと……というか次回作ドキドキプリキュアの主演声優が生天目仁美さんに決まった件ですが、ご本人が自分のブログでオーディションを受けた経緯などを綴ってらっしゃいます。
曰く
「今まで、プリキュアのオーディション受けてみたいと思っても…自分で無理だと決めつけていました。でも、自分で無理だと思っていたら何も始まらない」
「マネージャーに言いました。『プリキュアのオーディションを受けたいんです。
プリキュアになりたいんです。』マネージャーの答えは『お前には無理だよ。年齢的にも、キャラクター的にも』」
「でも、その時の私は『受かる受からないじゃなくて、チャンスを下さい。無理だなんて言わないで、少しでも可能性がそこにあるなら、やってみたいんです。』」
http://ameblo.jp/nabatamehitomi/entry-11443937575.html より)
………これって
【どうせ無理などと思わずに一歩踏み出して出来ることを全部やる】ことからハッピーが始まるんだと訴えてきたスマイルプリキュアの後番組の主演声優決定裏話としては、なかなか深いものがありますね。
もちろんオーディション合格は結果であって、そうであってもなくても、チャレンジしたことで得られるものが重要ということになるでしょうが…。

あきらめたら、はじめからバッドエンドだよ――
なんだと思います。


by tomorine3908- (2013-01-11 00:14) 

gg

もうすぐプリキュアも戦隊も新しくなる時期ですね。今度の戦隊、キョウリュウジャーはイエロー不在の戦隊で、やっぱりピンクは紅一点…アレレ。何で緑か黒を女性にしないの~。いやブルーとピンクが女性でもいいじゃないの~。
by gg (2013-01-22 20:03) 

tomorine3908-

ggさんからのコメント(毎度ありがとうございます)にあるように、戦隊の新しいやつは「キョウリュウジャー」らしいですね。
戦隊史上3度めの恐竜モチーフですが、前回のアバレンジャーから、はや10年たっているので、まぁイイ頃合いということなのでしょうか。
(なにせアバレンジャーごっこがお気に入りだった当時保育園児の我が娘・満咲も今や中学生ですから)
こちらについては独立した記事にできるか未定なので、ツイッターで軽くコメントした内容を、ここに再掲しておくと…
「ゴーバスターズから一気にベタなテイストにリバウンドしたなぁ…」
「キョウリュウジャーは初期ユニット5人中女性1人編成のようなのが、ワタシ的には期待度が下がるポイント。やはりいまどき女性2人体制は必須と思うのだが…。ジェンダー・フェミニズム・男女共同参画社会の観点からも、あるいは百合萌えキマシ展開で俺得的な意味でもw」
by tomorine3908- (2013-01-28 01:23) 

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