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ときめきメモリアル百合モード [多様なセクシュアリティ]

恋愛シミュレーションゲームの草分け『ときめきメモリアル』にワタシがかつてハマっていたことは、すでに知ってる方は知っておられると思いますが、先日 引き出しを片付けていると、その ときめきメモリアル・スーパーファミコン版の取扱説明書が出てまいりました。

昔やり込んでいたゲームでも、久しぶりに見るとまた違った見え方がする件は、以前に大航海時代2のほうで述べましたが、その観点から、この「ときメモ」取説にあっては、はたしてどのような発見が――!?


……………………。

やはり目が吸い寄せられたのは、そう、挿絵の百合百合しさですね(*^_^*)
例えば……


 BL120212toki-memo_01.jpg

いゃー、なんかイイなぁ~


 BL120212toki-memo_02.jpg

おぉー、如月さんになって、虹野さんと夏祭り行きたい!


 BL120212toki-memo_03.jpg

ぁぁあー、朝日奈さんっ! 代わって代わって!! (^^ゞ


 ……てな感じです。


ただ、これらは「新発見」というよりは、どうもかつてハマっていた往時から、すでに無意識に食いついていたフシがあります。

思えば『ときめきメモリアル』のプレイが楽しかったのは、いわゆる高校生活が疑似体験できるというゲームの構成にあったのですが、そのなかでも、複数の女の子と親交が深められる点が、自分の心の隙間に上手く入ってきていたのは確かです。

いろんな女の子と毎日の会話をし、休日には季節に応じてあちらこちらへと出かけ、楽しい時間を過ごす――。

実際のそういう生活からは遠く隔てられてしまっていた1990年代半ばという時空の中(『明るいトランスジェンダー生活』第0章(前夜) 参照)で、そんなゲーム世界は、一種の心のオアシスとして機能していたのはまちがいないでしょう。

ただ、当時ときメモをプレイしながら、漠然と不満だった点がありました。
それは主人公(=プレイヤー)の性別が選択の余地なく【男】に設定されているところ。

現実世界では当然に男性として女性に接するしかない中で、思いどおりの関係性が築けずに悶々としていた当時の私としては、ゲームという仮想空間においてまで、女の子と仲良くなるにあたって、男という性別を強制されることに、何やら言葉にできないもやもやを抱かずにはおれなかったのです。

かといって、主人公(=プレイヤー)の性別が【女】になるバージョンである Girl's Side となると、今度は仲良くなる相手の性別が男になってしまいます。
それじゃ意味がない!

かくて、当時の私は、どうしようもなさを感じながら、無意識のうちに、取説の挿絵の女の子たちの百合百合しくも仲良しな様子に、言いようのない憧れの念を抱かされていたのです。
ああ、本当は自分も女の子として、この女の子どうしの世界に参加したい。
そんな願いを未だ言語化させられないままに……。


そんな事情でしたから、当時の『ときめきメモリアル』に、もしもあればよかったものはと言えば、それは決して Girl's Side ではなく、そう、もうわかりますよね、百合モードだったのです。

主人公(=プレイヤー)は【女】、出会う校友たちも【女】。
そこで紡がれる物語。
 育まれる友情。
  それ以上のもの……。

いゃー、やっぱりイイよねー。
でもコレ、じつはけっこうニーズあるんじゃないでしょうかねぇ?


  


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