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「LGBT」など性的少数者の人権、セクシュアリティの多様性、クィア論、男女共同参画などや、そうした観点に引きつけてのコミュニケーション論、メディア論、「アニメとジェンダー」など、ご要望に合わせて対応いたします。※これまでの実績などはお知らせブログにて

佐倉ジェンダー研究所webサイト構成リニューアル [ブログ更新管理等情報]

すでに「お知らせブログ」のほうで告知済みですが、佐倉ジェンダー研究所webサイトの構成がリニューアルとなっています。

→ 佐倉ジェンダー研究所web「令和本館」開設のお知らせ
 https://est-tomorine3908.blog.ss-blog.jp/2023-08-01_NewSite


上記内にもあるように、「note」のプラットフォームを活かして最新のオピニオンを随時発信していくことを期して、「令和本館」が設置されたというかたちです。

→ 佐倉ジェンダー研究所web令和本館
 https://note.com/tomorine3908_nt

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これにともない、此処「佐倉智美のジェンダーあるある研究ノート」、通称「ツッコミブログ」の扱いも変わります。
近年果たしてきた役割の多くは「令和本館」へ移ることとなります。

今後は、さまざまな話題に臨機応変にツッコミを入れる……をコンセプトにしつつも、
先月までとは異なるスタイルでの更新となる見込みです。

お楽しみにノ

◇◇

◇♯◇


2013年セクマイ描写のターニングポイント [メディア・家族・教育等とジェンダー]

2013年、といえば早もう10年前。
むむむ;
光陰矢の如し。

必然的に10年の間には、この世の中のさまざまなことが変わりました。
デジタルテクノロジーはもとより、国際社会、ウイルス感染症をめぐる情勢まで…。
もちろん、性の多様性をめぐる認識もまた、この10年で大きく進んだのはまちがいないでしょう。

そして、あらためてこの2023年の時点から、この10年余りを振り返るなら、2013年というのは、日本のアニメ(などに代表される各種ポピュラーカルチャー)におけるセクシュアルマイノリティ描写/クィアセクシュアリティ表現についての、大きな節目・重要な転換点だったとも言えそうなのです。


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 ※本項目中の画像は引用要件に留意のうえ各公式画面からキャプチャしたもの

思えば「翠星のガルガンティア5話問題」があったのも、この2013年でした。

*詳しくはこちら
 → 「こんなの絶対おかしいよ!」翠星のガルガンティア5話問題
  https://stream-tomorine3908.blog.ss-blog.jp/2013-08-13_gargantia-5

性的少数者を類型的に描写し面白おかしく嗤いものにするようなことが、仮にも丁寧につくられた秀作アニメの中でおこなわれるのは、これを最後にしてほしいと、当時は願ったものですが、幸いにしてワタシの観測範囲では、実際にあれが最後になっています。



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あるいは、椎名高志による『絶対可憐チルドレン』。
これを原作コミックとして2008年にアニメ化がおこなわれた際には、主人公らに敵対する立ち位置の組織に属する登場人物の1人《マッスル大鎌》が、ある種の「オカマキャラ」として非常にカリカチュアライズされた人物像で描かれていたものです。

しかもマッスル大鎌、原作での初登場はコミックス8巻なのに、アニメでは第1話のメイン敵キャラとして抜擢されるという厚遇(?)ぶり。
おそらくは、このマッスル大鎌の「オカマ属性」がアニメ化に際しての一種のキャッチーなキャラづけとして視聴者への「つかみ」にバッチリだと判断されたのでしょう。
まさに、いまだ2008年には制作側がそういう認識でいた、そんな時代の限界が露呈した事象の典型例かもしれません。

そもそも『絶対可憐チルドレン』は、超能力者である主人公らを通して、さまざまなマイノリティの自己肯定&社会的受容についての課題の数々を描き出した意義ある作品です。
したがって、『絶対可憐チルドレン』で描かれる主人公ら超能力者の各種の苦悩・葛藤は、現実のさまざまなマイノリティの困難が仮託されたドラマトゥルギーだと解釈できますから、その意味でも本作で性的少数者を揶揄するような展開があるのは不適切です。
今日の視点で評価するなら、再考の余地がある第1話のつくりだったと言わざるを得ないでしょう。

ところが2013年に、敵組織のボスである、いわばダークヒーローとしての人気キャラ・兵部京介に焦点を当てた、いわゆるスピンオフとしてアニメ化された『THE UNLIMITED 兵部京介』では、このマッスル大鎌も、特別に奇をてらったようなところが皆無の、話し方などにちょっと中性的なニュアンスも含まれてるかなぁ程度のキャラ造形にとどめられた登場となっているのです。

これはむろん原作内での時系列に応じたキャラの役割の推移なども反映しているので、一概には言えませんが、やはりひとつには、2013年時点での基準の進展に合わせるなら、2008年版と同様の取り扱いはできないという判断があった、おそらくはそのような事情が介在していると推察できます
(原作でのマッスル大鎌のキャラ造形は、元々は連載当時のある種の時事ネタ・流行りモノのパロディとして登場した経緯があるという事情も)
このあたりに、制作側の認識が5年を経る間に大きく遷移したことが明確に伺えます。
それが2013年だった、というわけです。



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そして、もうひとつ。
この『THE UNLIMITED 兵部京介』とちょうど同時期に放映されていたアニメ『たまこまーけっと』にも特筆すべき案件が登場します。

『たまこまーけっと』は、京都の商店街を舞台に、主人公である餅屋の娘と周囲の人々の交流を主軸にした心温まる物語を描き出した作品です。
商店街の人情味あふれる日常を絶妙の塩梅で活写する、京都アニメーションが制作した秀作だと言うこともできましょう。

で、その京都の商店街で生花店を営んでいるのが、こちら「花瀬かおる」。
見てのとおり「花屋の店主の女性」として、特段の変哲はないキャラです。
ただ、この花瀬かおるの声を担当するのが、じつは小野大輔氏。
数々のイケメンキャラをも演じているイケボ声優ですね。
………しこうして花瀬かおる、ビジュアル上はまったく不自然なポイントは存在しない一方で、喋ると若干の違和感が醸し出されるという状況が現出するわけです。

つまるとろ、この花瀬かおる、トランスジェンダー女性だということなのでしょう。
しかし作中では、とりたててその点に言及されることはない。
作中の周囲の人々も、さしてソノことを意識している様子はなく、ごくごく自然に接していている。
あまつさえ公式サイトのキャラ紹介でも殊更に説明があるわけでもない。

結果、セクシュアルマイノリティはどこにでも当然に存在し、つねにすでに善き隣人としてフツーに暮らしている、という事実に基づいた状況が、きわめてナチュラルに提示されるわけです
(同様のメソッドは2016年『魔法つかいプリキュア!』での魔法界の商店街で仕立て屋をしているフランソワさんの設定にも引き継がれました)。

「LGBT」への関心が高まりはじめた当初なら「性同一性障害者の苦悩に迫った問題作!!」のようなアプローチにも意義はあったでしょうが、2020年代の今などは、むしろ性の多様性はあたりまえのこととして、決して特別扱いすることなく物語に織り込まれるケースが主流になってきてるとも言えます。

*そのあたり2020年にこちらで述べてます
 → LGBTが「もうあたりまえ」の時代
  https://stream-tomorine3908.blog.ss-blog.jp/2022-01-29_AlreadyLGBT

そうした表現の嚆矢が、この2013年の時点でアッサリとおこなわれていたことは、まさに画期的です。

かかる先進的な描写と、翠星のガルガンティア5話問題のような旧時代の残滓がせめぎ合っていた、そんな2013年は、やはりアニメにおけるクィアセクシュアリティ表現のターニングポイントであったと言って間違いはないでしょう。



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他にも、日常系百合アニメの金字塔である『きんいろモザイク』が2013年のスタートだったりしますし、翌2014年にはそれと双璧を成す『ご注文はうさぎですか?』もアニメ化されます。
そうして、2014年には『プリパラ』にレオナが登場。
2015年になると「好きの多様性」展開の総本山となる『響け!ユーフォニアム』のアニメ化もスタートします。

かくして現在では、いくつものアニメ作品で多種多様なクィアセクシュアリティが描き込まれるという豊穣が達成されているわけです。

その起点のメルクマールたる2013年から、わたしたちは今10年後の未来にいるし、それはさらなる次のステージへの未来の途中なのでも、きっと、あるのではないでしょうか。

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◇◇

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可能性ひろがるスカイ!プリキュア男子レギュラー登場 [メディア・家族・教育等とジェンダー]

プリキュアシリーズ2022年度作品『デリシャスパーティ [正式表記はココにハートマーク(以下同様)] プリキュア』の各種の新機軸として注目すべきポイントは、番組開始からほどない昨年の3月にまとめたとおりです。

  → デリシャスパーティプリキュアのパンチの効いた新機軸
  https://stream-tomorine3908.blog.ss-blog.jp/2022-03-02_DpPr-Mary
◇◇

その『デリシャスパーティ プリキュア』も、先月末に最終回を迎え大団円となったわけですが、本作について言及しておくべき点は上記記事にてだいたい網羅できていて、あらためて追加で述べるべき案件も少なかったです
その「少ない」ながら補足すべきことは、後述の事情により記事中で扱います)。

そして、
その後を受けて新年度のプリキュア作品として一昨日スタートしたのが『ひろがるスカイ!プリキュア』!

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 ※画像は公式のサイトや放送画面から引用要件に留意した上で貼付しています。

  → 東映アニメーション「ひろがるスカイ!プリキュア」公式サイト
  https://www.toei-anim.co.jp/tv/hirogaru-sky_precure/

  → 朝日放送「ひろがるスカイ!プリキュア」公式サイト
  https://www.asahi.co.jp/precure/hirogarusky/
◇◇

見てのとおり「空」をモチーフにした世界観で、テーマとしてヒーローを全面に打ち出しているところが特徴でしょうか。

プリキュアは「(「ヒロイン」等々ではなく)ヒーロー」だ、とは、シリーズ過去作でも折にふれて言明されていましたし、実態として最初からずっとそうだったことには疑いの余地がありません。
しかし、にもかかわらずここであらためてヒーローとしてのプリキュアを主題に据えるあたりには、本作のプリキュアシリーズ20周年を意識した姿勢が垣間見えるとも言えましょう。

実際、一昨日の第1話も、プリキュアシリーズの第1話としての定石をふまえつつ、まさにヒーローものの初回における王道を極めたテイストに仕上がっていました。
この先1年間、どのようなヒーロー像を見せてくれるのか、期待して見守りたいところです。

  

さて、そんな『ひろがるスカイ!プリキュア』、
公式サイトで一定の詳細情報がリリースされた時点で、総勢4名のプリキュアが登場することが明かされていました(そこからさらなる「追加戦士」が加わるのかは現時点ではわかりません。※当記事は2023年2月5日放送の第1話までの視聴に基づいて記述しています

曰く
*キュアスカイ
*キュアプリズム
*キュアウィング
*キュアバタフライ

このうち序盤から活躍をはじめるのは[スカイ]と[プリズム]。
まずはこの2人が、いかに「ふたりはプリキュア」として関係を育んでいくのかが、当初の物語上の課題となっていくのでしょう。

一方、残りの2人。
公式サイトで存在自体は公開されていますが、詳細については[スカイ]や[プリズム]よりも伏せられている項目が多いです。
おそらくこの2人については序盤を過ぎるまでは登場しないのでしょう。楽しみに待っておれ……ということですね。
ただ、第1話のOAを控えた先週、その謎の一部が公式情報として語られました。

まず[バタフライ]。
なんでもキュアバタフライに変身するキャラは18歳の成人女性という設定だとのこと。
なるほど、わざわざそういう表現になっているということは、いわゆる高校卒業済みの社会人ということでしょうか
(日本国の法律が変わり成人年齢が18歳に下がったため高校生だという可能性も否定はできないものの、シリーズ過去作には高校生プリキュアもすでに複数存在するので、それとは異なるニュアンスに受け取れる)。
高校卒業済み社会人的な立ち位置で登場したプリキュア変身者も前例は探せなくはないですが、ズバリその年齢の成人女性だという設定はレギュラーメンバーとしては初めてです。
今までにはないような物語への絡み方が期待できます。

そして[ウィング]。
このキュアウィングに変身するキャラが、なんと12歳の男の子なのだとか!
…………ちょ、な、
ついに男子プリキュアがレギュラー登場ですとぉっ!?

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※「オリコンニュース」などでも報じられている
  → 男子&成人女性プリキュア新登場
  https://www.oricon.co.jp/news/2266163/full/
◇◇

たしかに「男子プリキュア」をめぐっては、これまでにもいろいろありました。

まずもって、プリキュアシリーズは、セーラームーン先輩の直系という位置づけで、女の子限定ヒーローとして発展してきた経緯があります。

そもそも「ヒーロー」は、かつては男性限定の概念であり、女性は排除されていました
(そがゆえに語義的には単にその女性形であるだけなはずの「ヒロイン」という語には各種のジェンダーバイアスが紐付いて「ヒーロー」とは異なる位相が生じてもいたわけです)。

あるいは下手に男女混成にすると、女性主人公の主体性が異性愛原理に回収されてしまったり、あるいは男性キャラによるマンスプレイニング的なことが生じてしまう、そういう作劇上のリスクも生じます。

かかる状況に鑑みると、プリキュアシリーズが女性専用ヒーローであることは一種のアファーマティブ・アクションとして意義があったのは否めません。

しかし他方では、そのように女性限定を前景化しすぎると、かえって「男女」という枠組みを強化再生産してしまう、性の多様性描写との食い合わせが悪くなる、等の指摘も的を射たものとなってきていました。

現実に存在する「プリキュア好きの男児」たちに対しても、プリキュアシリーズが女の子限定であり続けることが抑圧的に働いてしまうとしたら、それはやはり好ましくないでしょう。

そんなこんなで、これまでのプリキュアシリーズ歴代各作では、いろいろな試みがされてきたものです。
通称「キュアワッフル」やキュアアンフィニの件が、大きなエポックだったのは言うまでもないでしょう。

そして、そんな通称「キュアワッフル」やキュアアンフィニをふまえて、満を持して登場したのが、じつは前作『デリシャスパーティ プリキュア』の例の「白タキシード仮面」だったわけです。

  → [1:男の子プリキュアへの中間回答]女の子は誰でもプリキュアになれるのか?
  https://stream-tomorine3908.blog.ss-blog.jp/2017-09-21_everyonePrecure01

  → デリシャスパーティプリキュアのパンチの効いた新機軸
  https://stream-tomorine3908.blog.ss-blog.jp/2022-03-02_DpPr-Mary
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「白タキシード仮面」の正体は、予想に違わず、メイン主人公・和実ゆいの幼馴染男子である品田拓海が「変身」したものでした。
初登場に合わせて「ブラックペッパー」という正式名称も判明。

しかもこのブラックペッパー、事前予測ではただの「コスプレ」の可能性もあったのですが、蓋を開けてみると、きちんとプリキュアに準ずるある種の特殊なパワーで「変身」したものでもありました。
なので、しっかり超常的な力を発揮して、敵モンスターと存分にわたりあう活躍も。

その意味では、事実上の「初の男子プリキュアがレギュラー登場」だったと言える存在、それがブラックペッパーだとするのも、さほど無理がある捉え方ではありません。

しかし、そうなると、他の「女子プリキュア」の活躍を奪ってしまわないか?
という懸念も出てくるかもしれません。

「やっぱり戦いは男のほうが強いな」
視聴者に、そんな印象を抱かせてしまったならマヅいでしょう。

「男の俺が彼女たちを守るんだ」
作中の当人がそんなふうに思い込んでいたりしたとしても、やはりそんな令和クォリティにふさわしくない因習的なジェンダー観は、プリキュア20周年を控えた時代とは乖離しています。

しかし、実際には、それは杞憂でした。

品田拓海がブラックペッパーとして戦うことを選んだのは、幼馴染・和実ゆいの思いに応えて、力になりたいと願ったから。

そして作中のバトルシーンでも、決して「女子プリキュア」との間に権力勾配は生じず、あくまでも対等に、共に戦う、というテイストでの描写が貫かれました。
細かいシークエンスごとには守ったり守られたりすることはあったものの、トータルでは差し引きゼロ。
本当に対等な「仲間」なのです。

あと、品田拓海は和実ゆいに対して密かに恋心のような感情を抱いていることは示唆されますが、それは作劇上のスパイスにとどまり、作品全体としては異性愛を至上とはしない幅広い関係性描写が採られていました。要は「好きの多様性」がベースとなっているわけです。
したがって、和実ゆいのメイン主人公としての軸が、恋愛成就という課題の闖入によって揺らいでしまうような弊害とも無縁でした
(最終回には将来において2人が特別な関係のひとつを紡いでいくことを伺わせる描写もありましたし、作品テーマとしては世代を越えて受け継がれていくものの大切さといったところも示されたので、それはそれで大切なことです。そして、にもかかわらず「ちっ、なんか異性愛至上主義に回収されちまったゼ」というような印象にはならないようになっていたのは、うまい匙加減だったですね)。

このあたり、セーラームーン先輩における元祖タキシード仮面の位置づけとくらべて大きく進化しているのは間違いありません。

つまるところ、やはり『デリシャスパーティ プリキュア』では、誰が男で誰が女かなんてことは、作劇上あまりカンケイないのです。

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しこうして、プリキュア作中に「男子プリキュア」が登場しても、さしたる問題は起きない、そういう前例はできました。

かつては懸念されたような事象はもう起こらない、そういう描写が可能になった、それがちゃんと視聴者に受け入れられる、そんなふうにすでに時代が進展していたのだとも言えましょう。

こうした実績の果てについに正式なプリキュアメンバーのひとりとしてレギュラー登場することになった「男子プリキュア」が、『ひろがるスカイ!プリキュア』におけるキュアウィングだ、という経緯なのですね。

しかも「正式なプリキュアメンバーのひとりとしてレギュラー登場」ですから、作中での変身シーンや必殺技シーンもガッツリ描かれるものと予測されます。
このあたりも、新時代の幕開け感があります。

なので、バンダイからもキュアウィング用の変身アイテム玩具、武器アイテム玩具などが発売されることはほぼ間違いないでしょう。
「作中では男児が使用しているアイテムを模した女児向け玩具」爆誕です。

先述のブラックペッパーには敵モンスターに決定的なダメージを与える力はなく、最終的なとどめ(プリキュアなので「浄化」)の一撃は「女子プリキュア」に譲る形になっていましたし、ゆえに見せ場となるような必殺技シーン、あるいは変身シーンもなかった、必然的に武器アイテムや変身アイテムの玩具は発売されなかった、などと比較するなら、それは思いのほか大きな前進となります。

作中では画期的なことが描かれていても、マーケティングの水準ではどうしても因習的なしがらみがついてまわってくるなかで、そのマーケティングの領域にも一石を投じることになる意義は大きいはずです。

◎プリキュアの敵モンスターに決定的ダメージを与える「浄化」技といえば、前作『デリシャスパーティ プリキュア』でキュアプレシャスが放った例の「500キロカロリーパンチ(後に1000キロ、2000キロカロリーとレベルアップ)」はそうではなく、あくまで補助的な攻撃技法というのが番組としての建前でしたが、その発展形にも見える、今般の『ひろがるスカイ!プリキュア』でキュアスカイが繰り出す「ヒーローガール スカイパンチ」は、正式に敵モンスターを「浄化」するいわゆる必殺技という扱いになりました。

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ヒーローを主題として打ち出しただけあって、このあたりも「ヒーロー」っぽさを前面に据えた進化が意識されているのかもしれません。
変身アイテムのデザインにも、戦隊ヒーローやウルトラマンが使っていても不自然ではないような要素が、従来のプリキュアよりさらに割増になっているような気もします(2023/07/09) その後7月スタートのウルトラマン新作での変身描写がこのプリキュアと共通項が多いことが判明した件については、こちら「おもちゃの男女別に押し寄せる変革の波!?」の末尾に追記しておきました)

◇◇
  
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というわけで、いよいよ始まった『ひろがるスカイ!プリキュア』。
注目点は多く、まさに晴れわたる空のごとく、無限の可能性がひろがっています。

1年間、楽しみに視聴していきたいと思います。

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