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[3:データ専用simスマホで音声通話]格安スマホ時代のケータイ代節約術 [経済・政治・国際]
さて、前々記事と前記事でお話ししてきた、ガラケーと格安スマホの「2台持ち」体制。
最後はその体制を補強する、音声通話非対応simを挿したスマホで音声通話をする方法についてです。
前記事のとおり、docomoキッズケータイは優秀な端末ですが、ハードウェアテンキーがないので通話中のプッシュトーン信号送出ができないという問題がありました。
企業のコールセンターのような通話先にかけたときの最初の用件選択のために番号をプッシュさせられるシチュエーションには、どうやって対処すればよいでしょうか。
誰でも思いつく方法としては、普段はキッズケータイに挿しているドコモとの正式契約したsimカードを、そのときだけスマホのほうに使えばよいのでは? …というものがあります。
これは、いちいち両端末の電源を切り背面のカバーを開けてけっこう繊細な手作業をするという面倒さえ厭わなければ、いちおうは理に適った解決策に思えます。スマホの端末もドコモのものなら、これでフツーに稼働してしかるべきです。
ただこの方法、ドコモ側の設定で、ガラケー契約の3G通信(FOMA契約)のsimカードだとLTE対応のスマートフォン端末に挿した際は一切の通信が拒否されているので、じつは使えません(画面の電波表示は圏外になる)。
たしかにLTE対応のスマートフォンで使える正規の(Xi契約)料金を払わずに割安なガラケー料金で契約した客に後からsimカードを別途用意したスマートフォンに勝手に移し替えられて使用されてはドコモとしては商売上がったりですし、3GとLTEでは技術的な規格が異なるというのも理解できます。
とはいえ、データ通信ができないのはいたしかたないにしても、いざというときの音声通話までいっしょくたに一切の通信を切断する措置は正直なところいただけません。せめて災害時などには、この措置を解除してもらえるとイイのですけどねー、docomoさん。
※(2018/01/15)
こうしたケースのプッシュトーン送出については、スマホの電話アプリのキーパッドを操作してスピーカーから出てくる音をキッズケータイのマイクで拾って送る……という荒ワザもあるようです。
その他、先月のツイッターで話題にしたあたりは本記事の補足になるでしょう。
……そんなわけで、simカードは入れ替えたりせず、なんとか音声通話非対応・データ専用simを入れたスマートフォン端末で音声通話をおこなう方法を探すしかないことになりました。
しかし、そんな字面的には不可能性の高そうなことを可能にするサービスは、意外にもこともなげにすでに提供済みでした。
それがつまり、いわゆるIP電話。
インターネット回線のデータ通信として音声通話のほうも扱ってしまうサービスは、かねてより固定電話では普及してきていましたが、昨今はモバイル端末向けにも複数の業者から供用されており、その対応スマートフォンアプリもいくつも提供されています。
GoogleのハングアウトならAndroidスマホにはあらかじめ入っている場合も多いのではないでしょうか。
あるいは、平均的な日本のスマホユーザーであれば、かの「LINE」の音声通話機能が使い勝手がよいという説も有力です。
LINEの音声通話機能はLINEでの知り合い(「友だち」)ならチャットとシームレスな操作で無料で利用できますが、そうでなくても相手先の電話番号宛にごく標準的な電話をかける操作で安価に発信できます。
料金支払いには「スタンプ」を購入したりするのにも使えるLINEのコインを共用することが可能なのも利便性が高いです。
また、この場合の相手先への発信元番号通知は、LINEアカウント取得時に認証をおこなった携帯電話番号とLINEをインストールしたスマホに挿したsimカードの番号が一致している場合なら、その番号になります(悪く言えば技術的には一種の番号偽装なので、ドコモの携帯端末など一部の相手先のセキュリティ対策の仕様によっては通知不可能)。
◎格安simでLINEを利用する場合、大手キャリアとは直接の契約がないので「年齢認証」が受けられないというデメリットがあります。
以前に大手キャリアでスマホ利用していた際に認証済みのLINEアカウントを移行すれば、LINE登録の電話番号は変わりませんが、その場合はsimの番号と不一致なため上述の番号通知は非通知になります。
端末のsim番号を通知させるなら、電話番号の設定を再度おこなうことになりますが、その番号では「年齢認証」をしないまま使うことになります。
ただ、手軽で便利なLINEアプリの音声通話機能ですが、固有の電話番号を伴っているわけではないので、ソコへかけてもらうという使い方はできません。
またフリーダイヤルなどへも発信ができません。
※IP電話全般に言えることとして、110番や119番などの緊急通報も含めて、各種の特殊な電話番号にはかけられないという制約があるのが通例です。
あとインターネット回線の速度に応じて、音声の到達に若干の遅延があるのも留意しておく必要があります(うっかりすると、テレビの報道番組で時折見かける、衛星生中継の現地レポーターと東京のスタジオのキャスターとの会話のタイミングのズレのようなことを自ら体験するハメになります)。
LINEアプリの設計思想としては「2台持ち」を想定していないようで、音声通話機能も電話代の節約が主眼なようです。したがってフリーダイヤルなら通常回線からかければいいじゃんという理屈で対応していないようです。
……で、となると当記事冒頭の、通話中のプッシュトーン信号送出ができないdocomoキッズケータイの問題をスマホのほうでフォローするという目的は、企業のコールセンターなどはフリーダイヤルなどが多いことに鑑みると、LINEアプリでは果たせないことになってしまいます。
いゃはや、なかなか「おカネをかけずに、コレひとつでOK!」というものは難しいのかもしれません。何事にも一長一短はあるものです。
なんとかフリーダイヤルなどにも通話可能なスマートフォン向けIP電話サービスはないものでしょうか。
そうして、これまたいろいろ探した結果、これならイケそうというサービスがありました。
ひとつはこちら。
「050 plus」
http://050plus.com/
原則としてフリーダイヤルでも大丈夫。
またNTT系列という安心感もあります。
アプリの使い勝手もまずまずの評価でしょう。
しかも、050で始まる専用のIP電話番号をひとつ発行してもらえるのも嬉しい。
ただ、月額基本料金が320円ほどかかるのは、安さを求めて「2台持ち」にたどり着いたユーザーを逡巡させるにじゅうぶんな難点ではあります。
たまにフリーダイヤルにかけるためだけになら、毎月その金額を払う合理性はどうしても乏しくなります。
なんとかならないものでしょうか。
(格安simが同じNTT系のOCNモバイルならセット割引も効くようですが)
……そこで、もうひとつ、
「ブラステル」!
http://www.brastel.com/Pages/jpn/home/index.html
これなら、フリーダイヤルもOKで、専用の050IP電話番号も取得できて、スマホのアプリもまずまずの使い勝手という環境が、月額基本料金ナシで実現します。
事前チャージも500円からでOKと良心的。
というわけで、これらIP電話サービス。実際にアカウントを登録し、アプリをスマホにインストールして設定を済ませると、電話をかけるのも受けるのも、ごくあたりまえにできました。
なんのことはない。
データ通信専用sim(いちおうワタシのはSMSには対応)を挿したスマートフォン端末が、アッサリとフツーに音声通話も可能な多機能携帯電話端末になったわけです。
………もうコレだけでもイイんじゃね??(^^;)
もちろん、上述したように110番や119番などの緊急通報はできないなどの制約はありますから完全な代替にはなりません。
それでも「2台持ち」のスマホ側でも音声通話が可能になり、電話帳も主たる利用場所がスマホ上になった今、スマートフォンの存在感が相対的に増し「2台持ち」の前提となっていた役割分担のバランスが曖昧になった感も出てはくるでしょう。
たまにしかかけないとしても、正規の携帯電話通話料よりも、IP電話からの料金のほうがかなり割安だというのも意外と重要です。
いっそのことドコモを解約しガラケーの番号を音声通話付きの格安simにMNPして端末をスマホ1台にまとめる(料金的にも似たような金額)というのも、この際「2台持ち」のメリットとして挙げたことと引き換えても、じゅうぶんに合理的な選択として浮上してきます。
…でも、ちょっと待った!
いろいろ考慮すると、この2015年現在、大手キャリアとの契約を解除するのは、やはり時期尚早なのではないでしょうか。
理由のひとつはMVNOの信頼性。
新しいビジネスだけに、注目を浴びている今はよいとしても、もしも経営が苦しくなったときの撤退も早いかもしれない危険性はあります。
契約を全面移行した後でそうなったりしたら、二階へ上がってから梯子を外される形になってしまいます。
もうひとつは災害時。
大災害などで通信インフラが逼迫したときには、大手キャリアは自社との直接の契約者を優先することはありえます。
そういう場合に、MVNOの格安simしかないと、通信手段がなくなる危険性も考えられなくはないでしょう。
そういうことを勘案すると、やはり大手キャリアとの契約は今しばらくキープしておくのが、この2015年時点では賢明と考えるのが妥当と言えます。
このほか、スマホ端末にドコモのものを使う以上は、不具合時の修理受付などには近所のドコモショップに窓口になってもらうことになりますが、その場合でも、たとえスマホのsimはMVNOのものでも、ガラケーで正規にdocomoのお客様なのであれば、気分的にラクというものです。
その他ドコモショップによる各種のサポートなども受けやすいでしょう。
そういう安定性・安心感が得られるという点では、端末が2台に分かれていて、simの契約もまた2つに分かれてでも、大手キャリアとの契約を今しばらく維持するのは、適性な負担と判断できます。
もちろん最初の記事で述べたような、バックアップとしての2台ある安心感や「スマホで情報を見ながらガラケーで通話」のような使い方の利便も大きいのは変わりません。
そんなこんなで、以上のような点をふまえて、ガラケーと格安スマホ「2台持ち」のコストパフォーマンス、今しばらくこれを享受していくことになりそうです。
たまの連絡にガラケーで通話とSMS、スマホは情報端末としてそれなりに使う……という、私と利用状況が似ている方は、どうぞ参考にしてみてください。
◇◇
-----(2022/05/07)----------
当記事、および関連の前2記事は日付のとおり2015年時点での情勢に基づいた内容となっております。
2022年現在の状況と対照しても、実情にそぐわない点が多々生じてきておりますので、その旨、じゅうぶんにご留意のうえ、参考情報としてご活用ください
(当サイト内いずれのコンテンツについても、そうした点は同様だという方針ではおりますが、ココは特に)。
昨今では「格安sim」についてももはや老舗と呼べる信頼感の業者がありますので、必ずしも大手キャリアとの契約を残しておく必要は乏しいですし、料金面でも、音声通話付きの契約であっても非常にコストパフォーマンスの良い設定に、ますますなってきています。
端末の安定性でも、いわゆるAndroid端末の出始めの頃にしばしば語られたような不安感はもはやないでしょうし、電池の持ちも良くなってきていますから、いざというとき用の予備の通信端末の必要度は漸減の一方です。
これらに鑑みると「2台持ち」の選択肢としての優位性は、かなり下がってきていると言えるでしょう。
----------(2022/05/07)-----
◇◇
[2:発見!ガラケー最適機種]格安スマホ時代のケータイ代節約術 [経済・政治・国際]
さて、前記事のとおり、いまどきの携帯通信情報端末として、ガラケーと格安スマホの「2台持ち」は非常に合理的で、私も快適にモバイルライフを享受できています。
「2台持ち」が合理的な、料金面での背景には大手携帯電話会社(大手キャリア)の料金体系が割高なことがありますから、そのあたりが劇的に変わらない限り、この状況は続くのではないでしょうか。
大手キャリアも、自分のところの公式な料金を下げられないのであれば、むしろこの状況をふまえて、格安sim業者であるMVNOに通信回線を卸売することで得られる収益をビジネスモデルに組み込んでもよいのではないでしょうか(回線を卸し売りするビジネス……、コレがホントの「かいせん問屋」! ←これが言いたかっただけだろぅというツッコミはナシで(^o^;))。
そんな「2台持ち」なのですが、その大手キャリアとの契約を引き継いで使用するガラケー側の端末の機種は、例えば2015年の秋にNTTドコモと契約すると、妥当な選択肢のひとつはこんな感じでした。
【 docomo N-01G 】
→ https://www.nttdocomo.co.jp/product/feature_phone/n01g/index.html
→ http://www.n-keitai.com/n-01g/http://www.n-keitai.com/n-01g/
たしかに、旧来型の携帯電話としては長年使い慣れたスタンダードなスタイルです。
使い勝手も優れています。
ただ、なんというか、これをスマートフォンとの2台持ちで運用すると、どうもオーバースペック感がして、どことなく持て余すというか、居ずまいが悪いのです。
とにかく「2台持ち」では多様な機能はすべてスマホ側が担うのです。
ガラケーのほうは、むしろ音声通話とSMS送受信に特化したシンプルな構成で、それらの機能の使い勝手をこそ極めてくれているほうが嬉しいわけです。
例えばこの機種のカメラ機能なども、ガラケーとはいえ最新の2015年機種としての性能を有しています。
ガラケー1台持ちの人には望まれるスペックかもしれませんが、2台持ちのユーザーからすると、いささか余分な性能という印象が拭えません。
むろん前記事で述べたように「2台持ち」のメリットのひとつに、バックアップとして「2台ある安心感」は挙げました。
さりとてそれは、互いに得意な分野を活かしあう形で相補的にはたらいてこそ心地よいもの。
拮抗するスペックの機能が両方にあるのは、やや心理的にストレスな機会も多いです。
はてさて、スマホとの「2台持ち」に最適化されたガラケーの機種は、どこかにないものでしょうか。
シンプルに音声通話とSMS送受信に特化した、手頃な大きさと重さの(できれば電池の持ちもよい)端末――。
理想としては、スタイルやサイズにおいて、西暦2000年前後のPHSがひとつのモデルとしてメルクマールになるのではないかと考えられました。
…ぃや、実際にこのPHS端末は、かなり完成度の高いデバイスとして当時の要求水準を満たしていたものです。
こんな感じの機種は、いったい今いずこに………!?
そうして、いろいろ探した結果、行き当たったひとつの解答がコレでした。
【 docomo キッズケータイ HW-01G 】
→ https://www.nttdocomo.co.jp/product/kids_junior/hw01g/index.html
→ http://consumer.huawei.com/jp/mobile-phones/features/hw-01g-jp.htm
「……子ども用やん!」
という意見は、ごもっともです。
たしかに、小さい子に持たすためにいろいろ工夫された設計が、大人が使うには若干の機能制限に感じられる部分がないではありません。
しかしじつは携帯電話端末としてひととおりのことはちゃんとできるのです。
しかも、どういうわけかネット通販ではかなりの低価格で叩き売られています。
試しに入手してみるにしても、2000円前後ならば非常に予算をつけやすい価格です。
実際に使ってみても、強いて挙げられる問題点は次のようなものにとどまりました
(公式のショップ以外で入手した端末でもsimカードの差し替えでスグに使えるのもキャリアをdocomoに移ったメリットと言えましょう)。
(1)iモード非対応/Eメール機能ナシ
(2)電話帳が10件しか登録できない
(3)電話帳に登録してある番号にしか発信できない(110番や119番などは別枠で可能)
(4)不在着信や着信メール(SMS)の存在を光って知らせてくれるランプがない
(5)SMSはできるが絵文字が非対応
(6)ハードウェアテンキーがないので通話中のプッシュトーン信号送出ができない
ワタシの場合ケータイメールは廃止したので、(1)については無問題というか、むしろニーズに合っていて歓迎です。
(2)と(3)は、携帯端末のヘビーユーザーならかなり深刻かもしれませんが、もともとたまの連絡が主用途な私には受忍限度内の不便です。
今まで使ってきたケータイの電話帳はスマホのほうにも移したので、それを見て対応することもできます。
かかってきた電話が非通知でない場合でも番号しか表示されず、ダイレクトには相手の名前がわからないにしても、まぁ「話せばわかる」(^^ゞ
こちらからかける場合にはスマホの電話帳を見ながら一時的に電話帳登録すればよいのです(私の場合、常時登録しておくのが望ましい相手先がどうしても7件ほどありましたが、10件のうちの残りの3件分を、この一時登録する番号用に空けてあります)。
(4)についてもしかり。
同様に(5)もあきらめのつく問題です。
絵文字だけで内容を作って送ってくる相手には、こちらの事情をちゃんと伝えればよいでしょう。
あと(6)については、たしかにちょっと予期していなかった問題でした。
企業のお客様センターなどに電話した場合など、たいてい最初に用件別に番号をプッシュさせられますから、そういう場合に手も足も出ない状況に置かれてしまいます。
必ずしも頻繁に出くわすシチュエーションではないにしても、イザというときにツボる危険性もないではありません。
なので別途これについては何か対策を探してみることにしましょう。
なお、ハードウェアテンキーがないので、番号入力や、電話帳登録・メール(SMS)作成時の文字入力などの際には画面上にソフトウェアキーボードが開きます。
これを使ったこの機種独特の入力には慣れるまでは少し戸惑うかもですし、慣れた後もハードウェアテンキーよりは多少は入力スピードなどが劣る可能性もあります。とはいえ、これもヘビーユーズでなければ問題ない水準です。
そして、こうした問題点を差し引いても、基本機能は必要十分で、サイズ・重量やデザイン的にも非常に良い使用感です。
子どもの使用を想定した防水・防塵・耐衝撃性能もありがたいものですし、防犯ブザー機能が使いやすく配置されているのも地味に安心感があったりします。
「子ども用」という表向きの建前にかたくなに囚われるのではなく、積極的に「2台持ち」用のガラケー端末として導入を検討する価値はあるのではないでしょうか。
そして、もうひとつ。
ネット上ではいろいろ残念なレビューも散見されるものの、コンセプトとしては非常に野心的に、この「2台持ち」時代のガラケー端末への要求に応えようとしたのではないかという事例がありました。
それがこちら。その名もズバリ「simple」!!
【 FREETEL Simple 】
→ https://www.freetel.jp/product/featurephone/simple/
なるほど。
先の「西暦2000年前後のPHS」という指標に照らせば、これこそがまさにビンゴではありませんか!
残念ながら、すでに公式には完売ということで、公式サイトからの入手は不可能になっています。
しかし、これもネット通販を探すと、意外にも適正な価格で取り扱われていました。
これもまた、今のうちに入手しておいて損はないと判断できるものです。
そうして、実際に使ってみたところ……
(これもdocomoのsimカードを挿せば、そのままdocomo回線の端末として使用可能です)
(1)全体的になんとなく安っぽい
(2)キーパッドの押した感触もいささかチープ
(3)イヤホンやUSB端子のキャップの取り付けに難がある
(プラグを挿すときの邪魔になることがある)
(4)画面のグラフィカルインターフェイスがマジ2000年代初頭っぽい
(5)電話帳機能が深刻におバカ
(6)日本語入力もかなり残念
(7)災害時などにドコモから配信されるエリアメールにたぶん非対応
(8)防水性能などがない!?
(9)その他ドコモ等の公式端末に慣れていると戸惑うような仕様
……というようなことが、やはりありました。
むろん(1)(2)(3)あたり、もう少しがんばって作りこむ余地は感じないではないですし、比べるなら先ほどのキッズケータイのほうがやはり全体の剛性感やボタンを押したときの上質感が優れていると言わざるをえないのですが、ただ現に安いものが安っぽいというのは辻褄は合ってます。
実用上は差し支えない範疇ではありますし、じつはこれらは「軽量化」とのトレードオフの結果だったとも見ることはできます。
その意味では(4)も妥協できることではありましょう。
たださりげなくBluetooth機能が搭載されていたりmicroSDカードが32GBまで対応していたりと、地味に2015年仕様なところもある一方で、画面のグラフィックが10年前で時が止まっているのはいささかアンバランスです。
そこを割り切れるかどうかが分かれ目になるでしょうか。
そして(5)は、ネット上での酷評の大半が収斂しているポイントでもあります。
フリガナがつけられず、思いどおりの順番に並べられないなど、件数が大量な人にはかなり致命的な問題を引き起こすでしょう。
またスマホに移した電話帳と同じものを読み込もうとしても、なかなかうまく行かず、なんとか成功したと思いきや、元の電話帳の英数文字以外が文字化けしていたりそもそも読み込まれていないなど、従来の電話帳データをこの端末に引き継いで使用するまでの道のりは遠いと考えてよさそうでした。
ただ、先のキッズケータイを基準にして比較すれば、当然に11件以上の登録もできますし、また電話帳に登録していない番号への発信も可能です。ココもまた、そういうものだと割り切ることができれば許容できなくはない問題となるでしょう。
(6)は電話帳に新規入力する際にもかかわりますし、メール(SMS)の作成時にも関係する問題です。
全体的な入力インターフェイスもビミョ~で、変換があまり賢くなく学習もしてくれないとなると、こちらもヘビーユーズじゃないからとなんとかやりくりできるかどうかが分かれ目ですね。
あと着信を知らせるランプがないのは先のキッズケータイでもそうでしたが、こちらの機種はそうした点も含めて、いろいろと公式端末では当然にそうであるはずのことがちょっとちがっているというのが(7)(8)(9)あたりです。
さりとて、そうは言ってもそれらはある種の文化の違いに帰着するものである部分も多いでしょう。慣れることで解決する要素も少なくないかもしれません。
(ちなみに(7)については端末がドコモならドコモと契約していなくても――格安simのスマホのほうでも配信されます)
そんなわけなので、過大な期待をせず、音声通話とSMSに特化した「スマホとの2台持ち」には最適なスペック、かつ小型軽量で電池持ちも良く、プラス若干のおまけ機能も付いた端末……という長所をこそ評価できるなら、選択肢のひとつとして捨てたものではないと思います。
実際、総合的な使用感は悪くないですし、特に大きな不具合もなく、快適に運用できています。
願わくは、これらdocomoキッズケータイとFREETEL「simple」の長所を合わせたような最強端末に登場してほしいところなんですけどねー;
それから、「2台持ち」の際のガラケー側の最適機種は、上記のような次第なのですが、そのときのスマホ側の最適機種については、前記事にも書いたように、そこそこの性能のものをネット通販などでゲット……となるでしょう。
最新機種はどうしても高額で、その場合は素直に大手キャリアのキャンペーンを利用した機種変更のほうが相対的にはおトクな可能性もあります。
もともと料金節約を志向した「2台持ち」ですから、そのあたりの見極めが肝心です。
おサイフケータイ機能もぜひほしいワタシの個人的なオススメは、やはり2~3年前のdocomoの端末の新品在庫です(ただ、大手キャリア公式機種は、余計なアプリが多数プレインストールされているのが若干邪魔なのが難点だったりも)。
これを、契約するMVNOが動作確認済みとしてしている機種一覧と照らし合わせながら、根気よく探すと「運命の出会い」が訪れるものと思われます。
それでは、この「格安スマホ時代のケータイ代節約術」の話題、次記事でもう1回だけ続けたいと思います。
スマートフォンで使うIP電話アプリなどの話を含めた総まとめですね。
[1:最強コスパは2台持ち]格安スマホ時代のケータイ代節約術 [経済・政治・国際]
さて、お知らせブログのほうの更新情報にも書いたとおり、現在では私・佐倉智美の携帯電話端末は、いわゆるガラケーとスマートフォンの「2台持ち」となっています。
結論から言って、これがこの2015年現在、いまどきの携帯通信情報端末の運用方法として、利便性でも料金・費用面においても最強です。
-----(2022/05/07)----------
当記事、および関連の後2記事は日付のとおり2015年時点での情勢に基づいた内容となっております。
2022年現在の状況と対照しても、実情にそぐわない点が多々生じてきておりますので、その旨、じゅうぶんにご留意のうえ、参考情報としてご活用ください
(当サイト内いずれのコンテンツについても、そうした点は同様だという方針ではおりますが、ココは特に)。
昨今では「格安sim」についてももはや老舗と呼べる信頼感の業者がありますので、必ずしも大手キャリアとの契約を残しておく必要は乏しいですし、料金面でも、音声通話付きの契約であっても非常にコストパフォーマンスの良い設定に、ますますなってきています。
端末の安定性でも、いわゆるAndroid端末の出始めの頃にしばしば語られたような不安感はもはやないでしょうし、電池の持ちも良くなってきていますから、いざというとき用の予備の通信端末の必要度は漸減の一方です。
これらに鑑みると「2台持ち」の選択肢としての優位性は、かなり下がってきていると言えるでしょう。
----------(2022/05/07)-----
順を追って説明しますと、そもそもワタシが最初にスマートフォンに「機種変更」したのが2011年の秋。
実際にスマートフォンを導入してみると、やはり便利ではありました。
出先で現在地付近の地図を見たり、各種の必要な情報を得たり、いわゆる「パソコンのメール」もチェックできる(思えばほんの数年前まで「では、これからしばらく家を空けるのでパソコンのチェックができません。メールはケータイのほうへお願いします」などということがよく言われていたものです)。
ただ、料金が高い!
スマホを便利に使いこなして、そのメリットを享受するためには、相当のパケット通信を必要とするし、ガラケーと違って持ち主が何も操作せずに放置していても、アプリが勝手にバックグラウンドで通信してしまうのもスマートフォン。
当然にパケット定額サービスに加入するのは必須でしたし、だいたいは毎月その最大上限額を払うハメになりました。
したがって月々の支払いは端末代金を別にして(簡便性を優先して消費税なども深くは考慮せず)ざっくり概算しても、
基本料金 1000円
ネット接続料 300円
パケット定額代 5500円
…というわけで合計 6800円!!
ガラケー時代は、webはめったに使わずEメールでのパケット使用が少々という状況に合わせてパケット定額は契約しておらず、そのぶん無料通話(この場合なら通信にも使える)が1ランク多い基本料金にしていたので、
基本料金 1500円
ネット接続料 300円
……の、合計 1800円だったわけなので、スマホにかえてからというもの、月額 5000円も余分にかかることになってしまったわけです。
なんとか通信量をパケット定額の二段階料金の最低額内に抑えて3000円ほどを浮かそうともしたのですが、なかなか上手くいかない月も多く、そういうことに汲々とするのもまたストレスです。
こうしてスマホ通信量節約の戦いに厭戦気分が限界に達した2014年の春先、ワタシはスマホ端末からsimカードを抜き、ひとつ前に使っていたガラケー端末に戻したのでした。
これにともない、基本料金は元に戻さず、パケット定額を(当面はsimをスマホに戻す日もあるかと念のため維持だけはしようと)最低料金が一番安いやつに変えたので、これで
基本料金 1000円
ネット接続料 300円
パケット定額代 380円(←ガラケーならめったにコレをオーバーしない)
………と、月額料金は合計 1680円に下がりました。
いやはや、フツーはこれくらいしか払えませんよ;
ちなみに、近年のワタシの通信事情は、いわゆる「パソコンのメール」などが主体であり、携帯端末は通話、メールともにたまにやり取りする程度なので、それらの従量料金はごく僅かですから、上記の月額料金も、ほぼそのままが月々の支払額です。
そして!
simカードを抜いたスマホ端末、これはたしかに携帯電話サービスの電波を使った通信こそできませんが、Wi-Fi機能が搭載されているので、それを活用すれば問題なく使えるのです。
自宅や立ち回り先のオフィス類には無線LAN環境が構築されていますし、外出先でも公衆無線LANが提供されているスポットはそれなりにあります。
もとよりスマホのアプリには常時のネット接続を必要としないものも少なくありません。
そんなわけで、ワタシのガラケーとスマートフォンの「2台持ち」体制は始まったのですが、これは思った以上に快適でコストパフォーマンスに秀でていました。
スマホの利便性は概ね享受できるし、また携帯端末としてのガラケーは、スマホを経由してからあらためて使ってみると、スマホにはないインターフェイスの優秀さ・使いこなしやすさが多々あります。
独自の進化を果たしたガラケーは、まさに世界に誇る日本の文化かもしれません。
「2台持ち」ゆえの「2台に分かれている面倒」というのも、例えば充電の手間が2倍になったり、カバンの中で2台分の場所を取るなど、ないではないのですが、逆にそれは「2台ある安心感」とも表裏一体です。
つまり、どちらかが電池切れや故障などで使えなくなっても、もう一方がバックアップとして機能してくれるという余裕などですね。
また、仕事の打ち合わせなどにガラケーで通話しながら予定・カレンダーや地図などの情報をスマホのほうで確認できるというような使い方も、地味に非常に便利だったりします。
ガラケーとスマホ、それぞれの長所を活かしながらの運用である「2台持ち」は、まさに合理的で、究極の使いこなしだとさえ言えるのかもしれません。
さて、そうこうするうちに、巷では「格安sim」が勃興してきました。
詳しくは検索してもらうことにして、要は「MVNO」と呼ばれるカテゴリーの業者が提供する、大手携帯電話会社(大手キャリア)の通信インフラを小分けして再販売するサービスで、期間ごとの通信量上限やその他に各種制約がある分、料金は非常にリーズナブルとなっているものです。
これと契約して、そのsimカードを利用すれば、外出先でWi-Fiがないところでも通信ができる!
スマホの通信をWi-Fi専用にして以来、クルマでの移動中に渋滞情報をちょっと調べたいシチュエーションなどには、たしかに不便でしたから、これはやはり魅力的です。
そして料金を調べてみると……
OCNモバイル
3GB 1300円
http://store.ntt.com/p/ocn_mobile_one
niftyのnifmo
3GB 1100円 ←nifty会員は割引アリ
http://nifmo.nifty.com/
FREETEL
1GB 700円~
https://www.freetel.jp/
……などなど。
(その後もいくつもの業者が参入して、選択肢は増える傾向)
※上記「格安sim」料金はすべて「SMS付きの音声通話なし」の料金を「ざっくり概算」の月額で表記。
これはお買い得です!
データ量に関しては、実際に運用してみての具合で言うと、かつて二段階定額の最低額に抑えようといろいろケチっていた習慣を持つ者にとっては、Wi-Fiと併用していれば月間3GBでも使い切れないくらいです。
むしろ1GBでちょうどいいくらい。
なので、それより容量の多いプランは必要ないと考えてよいでしょう。
◎「格安sim」は各業者とも、完全に「データ通信のみ」のものと、データ通信プラスSMS送受信も対応したもの、さらに音声通話も可能なもの……の3タイプが選べるのが通例ですが、ガラケーとの「2台持ち」の場合は音声通話タイプは必要ないわけです。
ただSMS付きタイプについては、セルスタンバイという技術的な問題が発生して電池の減りが早くなる不具合が回避できたり、何かのサービスのログイン認証などで同じ端末でのSMS受信が望まれる場合にも対応できるなど、月額200円ほどのアップだけで、なにかとメリットも多いので、完全にデータのみタイプにするよりはオススメだと言えます。
また、格安sim対応端末は各社が公式に動作確認したものがwebで公開されていますし、基本的にドコモ回線を借りたMVNO業者ならドコモから発売された端末は(いわゆる「simフリー」でなくても)だいたい使用可能とのこと。
私は「おサイフケータイ」機能を使い込んでいるので、それに対応したドコモ系端末をネット通販で調達しました。
大手キャリアのしがらみのないsimフリー端末も多々流通していますが、それらは「おサイフケータイ」機能には非対応なものが多いのです。
いずれにせよ15000円ほどの予算でそこそこの性能のものが買えます。
これもじつは大手キャリアで正規の機種変更をした場合に「じつは支払いに拘束されている金額」よりもかなり安いことになるはずです(15000円を2年しばりの24ヶ月で割って試算しても月額625円に相当)。
ワタシのは「2年ほど前の最新機種」の新品在庫だったのですが、じゅうぶんに使用に耐えるスペックです。
◎「おサイフケータイ」機能については、大手キャリアで公式端末を使う際なら問題ないケースでも、各々のサービスによっては「格安sim」での運用に対応していないものがあったり、また端末ごとの相性のようなものもあるとのことなので、個別の注意が必要だと言われています。
ただ、実際に私が運用したところでは、Edy、WAON、QUICPay、モバイルSuica いずれも支障なく使えます。マクドナルドのかざすクーポンも問題なし。
また iD については、以前はドコモと正式契約した iモードやSPモード経由の通信でないと初期設定ができなかったのが、最新のiDアプリをダウンロードすれば(プレインストールされているものが自動更新されない場合には Google Play で手動で検索して更新するとよい)、現在ではMVNOの「格安sim」でも可能になっています(2016/08/27)。
かくして、新たな端末を得て、格安simスマホと従来からのガラケーでの「2台持ち」体制は、さらに強固になったのです。
やがて秋になり、2年しばりの更新月がやって来ました。
いろいろ考えたのですが、スマホの格安simがドコモ系回線を使うもので、端末もドコモから発売された機種を使うようになった今、ガラケーに使っているメインの回線もドコモに移ったほうがいろいろと有益そうです。
ただ、ドコモに移るにあたっての、唯一のネックはケータイメール(キャリアメール)のアドレスが変わってしまうこと。
携帯電話番号のほうは、現在ではMNP制度で変更することなく携帯会社を移ることができます。しかしメルアドはそうはいかないのです。
とはいえ、よくよく考えると、昨今はケータイメールの必要度は下がっています。
もともと、たまのやりとりにしか使っていませんし、なによりスマートフォンで「パソコンのメール」のチェックもできるのです。
もはやケータイメールは社会的な役割を終えたと言っても過言ではない時代なのかもしれません。
事実、昨今は携帯端末に送受信するテキストメッセージのメインストリームがSMSに移りつつある風潮です。
ならばこの機会にケータイメールを廃止するのも一手。
どうせ前のやつが使えなくなるなら、それがいちばんスッキリします。
しかも!
ケータイメールを使わないのなら、ネット接続を契約する必要もないし、ネット接続が未契約ならパケット定額にも入る必要がない!!
結果、新たなドコモとの契約は最低料金のみのざっくり月額800円となりました。
こ、これは……っ!
つまり、格安simの月額料金と合わせても、トータルかつてのガラケー1台分の料金とだいたい同じか、むしろ安いくらい。
ガラケーとスマホの2台持ちをすると、なんとガラケー1台のときよりも料金を安くすることさえできるとは、なんというマジックでしょう。
そんな「格安sim」、しっかり研究して、活用していかないテはないですね。
◎上記のとおりケータイメール(キャリアメール)の放棄については私も若干は迷いましたが、廃止は不可能ではないのが昨今の趨勢です。
かつてはコミュニケーションの基幹インフラとしての地位を得ていたかもしれませんが、今やその座は「LINE」などのスマートフォンアプリに禅譲されつつあるとも考えられます。
料金的には、これも上述のとおりケータイメールをやめることさえできれば、携帯会社への支払額を月々700円ほど減らすことができます。それを回すことで契約できる「格安sim」もたくさんあるというのは大きいでしょう。
ということで、次記事でも、この「格安スマホ時代のケータイ代節約術」の話題を続けたいと思います。
まずは「2台持ち」に最適な端末の機種選定について。
§「格安sim」を入手するには、業者の公式サイトから申し込む方法もありますが、まずはsimカードの現物をアマゾンなどで買うことから始めるアプローチもあります(最初のアクションとしてのハードルが心理的に低いメリットがあるかもしれません)。
なおsimカードには「標準」「micro」「nano」の3サイズ(ドコモのカタログや公式サイトでは、それぞれ「ドコモUIMカード」「ドコモminiUIMカード」「ドコモmicroUIMカード」という独自表記になっているので、さらにややこしい)があるので、自分が使う端末に合ったサイズのものを選ぶよう注意が必要です
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