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恋のスタンプラリー [今週の佐倉満咲]

◇◇
「恋のスタンプラリー」
あなたは参加する?
◇◇

我が娘・満咲も、はや大学3年生。

………とはいえ今年・2020年度の前期授業は新型コロナウイルス感染症[ COVID-19 ]の流行拡大を受けてすべてオンライン遠隔授業となり、キャンパスも立入禁止が原則となって、何やら新学期になったのかなっていないのか、すこぶる曖昧なまま過ぎてしまっていました。

後期になって、ようやく通常のオフラインでの対面授業も再開して、このところは登校して久しぶりに顔を合わせた友人たちと、いろいろ話もはずんでいたりするようです
(とはいえ、まだ一部を除いて多くの授業はオンライン遠隔方式なのですが)。


◎満咲さんの同世代の子たちによる今年度前期のオンライン遠隔授業についてのレポートはこちら
 [ 新学期!→まさかのオンライン遠隔授業の日々 ]
https://stream-tomorine3908.blog.ss-blog.jp/2020-05-19_RemoteOL


◎ここまでの満咲さんの大学生活関連記事はこちらなど
 [ 佐倉満咲、大学でジェンダーを学ぶ ]
https://stream-tomorine3908.blog.ss-blog.jp/2018-12-09_MUs-GS


で、そんなわけで、従前のとおり「ただの友達の男子」も相変わらず多いようで、帰宅後に報告してくれる当日の出来事に関するエピソードでも何人かの男子学生の名前が挙がることは続いています
(当然にかなり「親には言わないフィルター」がかかってはいるようですし、そこからさらに個人情報への配慮に念を入れると、ここにはたいした詳細は書けないのですが)。

高校までと同様に、「男女なら恋愛」という社会通念を超克して、互いに一番心地よい関係性を実践している様子は、なかなか微笑ましくもあり、また頼もしいことでもあります。
相手のほうも、満咲と波長が合うのでしょう。すこぶるナチュラルに日々接してくれているようで、まことに尊いことです。

もちろん、男女で親しげにしている様子に対しては、他の友人らから時折「付き合ってんの?」と問われるのは従来と同様で、やはり鬱陶しくはあるようです。
また、男子と仲良くしている現場に対しては、他の友人らがどうしても遠慮してしまうようなことも起こるようで、気を利かせた女友達が近寄ってこないということもありがちらしいです。
それで女友達とはなかなか距離を近づける機会が逸失し、余計に友達の男子率が上がる、とも。

ただ、そうはいっても、そういうときこそ高校までの経験値が生きてきたりもするのでしょう。
「男女でただの友達」の関係性のマネジメントは、それなりに上手くおこなっていると見受けられます。
本人もですが、相手も同様に、一般的には「異性と親密になっている」とされる状況が、こうした形になっていることに対して、10代の頃よりは安定して納得できるようになっているのかもしれません。


 BL202016LoveStampRally.png
 (画像はイメージです。出典:いらすとや

そんなこんなで、昨今は状況を社会学的に見極めるセンスも上がった満咲さん、「男女でただの友達」の困難について、先日ふと次のように表現したのです。

「男女だと、恋人って関係をべつにめざしてなくても、どうしても『恋のスタンプラリー』になっちゃうねんナ」

「え、何? スタンプラリー!? 恋の??」

曰く、男女の関係性には親密度を上げていくためのモデルコースが設定されていて、あたかもスタンプラリーのようなそれに、油断するといつのまにか参加させられてしまっている……のだというのです。

つまり、例えばスタンプカードに「初デート」「手をつなぐ」「初キス」などの枠があって、順次達成し、その証の押印で埋めていくことが促されるようなイメージなのでしょうか。

そしてスタンプカードの受領や使用を拒否するには相応のエネルギーが必要だとも。

あるいは「手をつなぐ」カードにスタンプが5個溜まったら「キス」カードにランクアップ。さらに「キス」カードにスタンプ10個で性行為が可能になる……ようなシステムだったりするというのもあるかもしれないですね。

なるほど!

「恋のスタンプラリー」!!

たしかに言い得て妙でしょう。

性の多様性に明るく、決まりきった「恋愛の常識」とは距離を置くことができている今どきの若い世代である満咲さんとしては、まさに、このような生活実感をともなって状況が透徹できているのかもしれません。

社会の中での人々のコミュニケーションにおいて、男女の親密性にかかわる相互行為が、「恋愛」と定式化された社会的なコードによって見事なまでにパターン化されていることを表現する比喩としては、なかなか秀逸だと言えます。

「恋愛」なり、よりよい「男女の関係性」などについて議論するときには、コレを少し頭の隅にでも置いておくと、そこはかとなく有用かもしれないですね。

さあ、「恋のスタンプラリー」、
あなたは参加する?
それとも参加しない!?


◇◇





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