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「LGBT」など性的少数者の人権、セクシュアリティの多様性、クィア論、男女共同参画などや、そうした観点に引きつけてのコミュニケーション論、メディア論、「アニメとジェンダー」など、ご要望に合わせて対応いたします。※これまでの実績などはお知らせブログにて

とんだ解釈違い!BLと思ったらヘテロだった!! [多様なセクシュアリティ]

さぁて、お知らせブログにまとめたように、ワタシと我が娘・満咲が行く2019年度の「母娘男旅」は北海道だったわけです。



広大な北海道の大地は、やはり見ごたえがありましたね。

十勝平野のほうから大雪山・層雲峡の方面をめざして行くルートには、扇ヶ原展望台もあって雄大な眺望が得られます。

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そこからもう少し進んだところにある然別湖は、なかなか良い感じです。
観光地として俗化していない、しっとり独特の趣が非常にエモーショナルな印象です。

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三国峠の展望もまた素晴らしいです。

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で、こうして行程を進めた途上にあるのが、「銀河の滝・流星の滝」だったりします。

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これが銀河の滝。

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こちらが流星の滝です。

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2つをまとめて視界に収められるという展望台へは時間と体力の都合で行かないことを選択したものの、相次いで目撃したダイナミックな双瀑の様子に、私たち親子はしばし感嘆。

「いゃ~スゴイなぁ」

「う゛ーむ、小並感;」

というふうに、感動を表す語彙も見つからなかったりしました。


と、そうこうするうちに満咲が、少し別角度からのコメントを始めました。

「流星の滝、流星かぁ……。なんかアイドルの流星くんの滝、か何かみたいにも聞こえる」

なるほど、まぁたしかに横浜流星とか今をときめく人気俳優です。
ジャニオタでもある満咲はジャニーズWESTの藤井流星を念頭に置いているのかもしれません。
漢字は異なりますが竜星涼もいますね。

「誰かもうひとり……、名前が銀河くん!? ……といっしょに流星くんがココをレポートする仕事とかすると良いかもね」

と返すと、

「おぉっ! 良いねぇ」

「それかいっそのこと、この滝を擬人化したキャラとか」

「銀河&流星コンビの2.5次元アイドル?? 的な!? うん、萌えるかも!」

「2人が毎回いちゃいちゃしながら、他所の滝を訪問するなんてどう?」

「ぅわ、めっちゃエエやん」

今どきの女性ファンが、男子2人の仲睦まじさを見てときめく、いわゆる関係性萌え、もしくは相関図消費ですね、これはもはや広くおこなわれている事象だと言ってよいでしょう。
いわゆるBLコンテンツが好まれるツボもそこにあると考えられます。

と、ここでおもむろに満咲が問うてきました。

「……どっちがどっちかな?」

「え??」

「どっちが受けで、どっちが攻めかな」

………ソコかよ!w

まぁせっかくなので直感的に浮かんだイメージを答えます。

「うーん、一見すると銀河のほうがオラオライケイケ系っぽいんやけど、じつは受けで、逆に控えめで落ち着いたキャラに見える流星のほうが、いざソノときになったら攻め……とか?」

ソレを聞いた満咲は安心したように目を輝かせます。

「おぉ、そーやんな、やっぱり! ヨカッタ、解釈が一致してノ」

何がどう「やっぱり」なのかよくわかりませんが、ここで解釈違いが露見して親子喧嘩になるのも不毛です。

「BLカップリングの解釈が父親と一致して安堵する現役女子大学生」という存在が、いったい世界に何人いるのかはわかりませんが、まぁこの展開はめでたいのでしょう;

いわゆるひとつの《狭いながらも楽しい我が家》の一端が、こういうところでも発現した形です。


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そうして、滝散策路から駐車場のほうに戻ってきた私たちは、駐車場からの滝散策路への入り口に設置したと企図されているらしい、双瀑について解説した案内板に気づきます。
どちらかというと順路を逆に巡ってきてしまったようです。

そしてソコには、じつに衝撃的な事実が記されていました。

「えぇぇ~っ!!」

「ま、まさかそんな……」

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「め、夫婦滝って!?」

「流星を雄滝/銀河を雌滝……だとぉ??」

これはとんだ解釈違いです!

まさかの、BLだと思って萌えていたら、なんとヘテロカップルだったとは!!

「……………」

「ぅむー……。こ、これがヘテロノーマティビティかぁ」

という、世の異性愛因習に思いがけず少しダメージを食らった、ある日の北海道旅行なのでした。

※例えば伊勢の二見浦の夫婦岩なら、昔の人が夫婦に見立てたことに対してはわからなくはないですが、この双瀑ってマジ「夫婦」のイメージを重ねるに妥当なのかどうかギモンです
◇◇


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さて、そんな数日後、霧多布までやって来た私たち。
湿原の中を歩けるように整備された木道を、少し散策することになりました。


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少し行くと、他に人影もなく、広大な湿原の只中に2人きりのようになりました。

ここで満咲がふと思い立ったのか、つぶやくように言います。

「なぁ、世界の果てに2人きりになったら……」

「あぁなるほど、コレってそんな感じやなぁ」

「例えば世界の果てに2人きりになったけど、相手も女の子やったらどうしたらいい??」

「む……、なるほど、ソレか」

そこはまぁ、iPS細胞とか、百合オメガバース的な何かとか…!?

※真面目なところ、「世界の果てに女の子どうし2人きり」は現実的ではない仮定の話なので、少なくとも生殖の不可能性を根拠に同性愛を否定するのは妥当ではないです


「ところで『やがて君になる』の小糸侑と七海燈子センパイとか、世界の果てに女の子どうし2人きりシチュになかなかヤバくない?」

「わぁ激ヤバ!」

「『響け!ユーフォニアム』の田中あすか&中世古香織もヤバエモなのでは??」

「……あえての《あすかお》? 《くみれい》ぢゃなく??(ましてや《のぞみぞ》でもなく)」

「(まぁ《のぞみぞ》とかやとヤバすぎやしな;)……『夏色キセキ』の夏海と紗季とかもエエんちゃうか?」

「それを言うなら『ドキドキ!プリキュア』のマナと六花もでしょ」

「ちょっと待て。さっきから全部、2人のうちの一方の担当声優が寿美菜子やゾ」

「それって必然的な偶然?」

……そんなこんなで、霧多布湿原の圧倒的な自然の息吹に包まれながら、妙にディープな話題について掘り下げる親子なのでした。

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……てなことなので、以下は完全に余談です。

霧多布岬への道をレンタカーで走っていた私たちは、「駐車公園」という標識を見つけました。

「駐車公園」とは、ココらへん以外ではあまり聞かない言い回しです。
駐車することでソコが公園としての機能も併せ持つようになる、そういう公園のように使用できる駐車場……といったニュアンスでしょうか。

実際、キャンプサイトと隣接しているようなので、キャンピングカーでキャンプをする人たち向けの、そのキャンピングカー用の駐車場だというのが実態かもしれません。

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そう納得して標識を走りすぎた3秒ほど後、私たちは重大な問題に思い至りました。

「ち、ちょっと待って」

「駐車公園ってさぁ」

「 英語でどう言うの~っ!? 」

英語では駐車も[ park ]、公園も[ park ]。
これはあまりにも気になりすぎます。

しょうがないので標識まで引き返して確認しました。

「……………えっ」

「そ、ソレでエエんかい」

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そんなわけで、一切の捻りを省いた単に Parking という直球どストレートな表記に、ちょっと損した気分になりながら、霧多布岬を眺めた私たちなのでした。

……佐倉満咲、霧多布岬の突端を指差すノ

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◇◇



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