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[5:機動戦士ガンダムの隘路]プリキュア時代の「男の子アニメ」の困難 [メディア・家族・教育等とジェンダー]

さて今年・西暦2014年は『機動戦士ガンダム』35周年でもあります。
さしずめ「宇宙世紀0114年」ということになるでしょうか(^^)。

ウルトラマン、仮面ライダー、そして戦隊シリーズにくらべても多少は歴史が浅いガンダムですが、ここまで来ると、それももはや有意な差とは言い難いかもしれません。

ガンダムシリーズもその後数多くの作品が作られて今に至っていますので、やはりすでに日本を代表するシリーズの一角を占めていると言ってよさそうです。

では、そんなガンダムシリーズへのプリキュア要素導入は、いったいどのような現状なのでしょう?

端的に言って、一概には語れません。
作品ごとにさまざまなバリエーションがありますし、物語の構造も複雑で難解な度合いが高いですから。

大枠としては、リアリティにこだわって戦争を描いてきたガンダムシリーズでは、モビルスーツは軍の所有物ですし、作中の戦いもまた「公」的な「正義」に基づく面が基底にあるのは否めません。

その一方で、モビルスーツの搭乗者名鑑をひもとけば女性パイロットも少なくなく、その内実はともかく、書類上の「男女共同参画」具合においては戦隊シリーズをも凌ぐ勢いだったりもしますから、そこに「女性的な視点の物語」を描き出すための可能性が常に潜在していると読むことも不可能ではないのです。

また初代ガンダム第1話を見なおしても、アムロ少年がガンダムに乗り込む最大の動機は「みんなを守りたい」気持ちになっています。
その後の中盤の回では、粛々と戦争を進める軍の論理にクレームをつけたために、軍のエライさんからアムロが殴られる描写なども、「正義と秩序」と「ケアとキュア」の葛藤を、じつは描き出していたと見ることもできるでしょう。


 


ただ、実績として今のところは、『ウルトラマンギンガ』の如く大胆にプリキュア的要素を取り入れたガンダム作品は現れていません。

「高校生が主人公の、学園もの要素を導入したガンダム」など、やろうと思えばじゅうぶん可能なはずなのですが、なかなか思い切って踏み切れないのでしょうか。

強いて言えば『機動戦士ガンダムAGE』の16~18話、いわゆるアセム編の冒頭の3話が、それに近いものを描いていました。

なかなか評判は芳しくなかった『ガンダムAGE』ですが(私も女性キャラの扱いなどの観点からはかなり批判しました)が、その中にあって、この16~18話は総じて好評だった印象があります。

やはりここにこそ、今後のガンダムシリーズの可能性が秘められているのではないでしょうか?

………やっぱり僕の妹はガンダムに乗れるかな(^^ゞ


 


あと、2013年10月~2014年3月に放映された『ガンダムビルドファイターズ』も、ガンダムシリーズの新機軸を拓いたと言えそうです。

ことに「ベアッガイ」の人気などには、いろいろな面から意義があるのではないでしょうか。


 



◎せっかくなのでこの機会に少しクライマックス部分を書いてみました(^o^;)
『 僕の妹はガンダムに乗れる 』
第12話「【最終回】生きるのをあきらめないで!
      今こそ宇宙に心の花を咲かせよう」 by 佐倉智美

  (前回まで)
 [ 第1話第2話第3話第4話~


「やめて、ユリナ。もうやめて!」
ユノアはガンダムのコクピットから叫び続ける。
その間もユリナが搭乗したフォーンファルシアから放たれたフローラルビットからのビーム攻撃が宇宙空間を切り裂いていく。
コロニーに、みんなの大切なトルディアに当たったりしたら大変だ。
「ユリナ、目を覚まして。こんなことしたって何にも……。今なら間に合うよ。もう一度いっしょにアタシたちとと……」
通信回線がユリナの側から切られることはなかった。
「キレイごと言わないで! アナタに何がわかるの!? 私のこの気持ちなんて誰にも……」
ユリナの言葉に続くようにフローラルビットの一群がガンダムに向かってくる。
「ユノア、囲まれたらヤバいよ」
後席のカノンが言うのとほぼ同時にユノアはジェネレーターの出力を上げた。
「ヤバい、ヤバい」
「大丈夫だよ、ハロ」
ホリゾンタルインテグレーションAGEデバイスによって進化した、複座式のガンダムAGE-XPエンゲージの性能には余裕がある。
大きめの機体にはなったが動きは敏捷性が高まっているとユノアは感じた。
装甲が物理攻撃に耐える力も増しているはずであった。
それでもビームの直撃を避けながら、フォーンファルシアに近づいていくのは容易ではなかった。
「ユノア、もう引け。こうなったらもはやこれは軍の仕事だ。それしか……」
戦艦ディーヴァのブリッジにいる父・フリットからの通信が入った。
「ダメ! それはダメ、お父さん、もう少し……もう少しだけ待って!」
「ユノア!」
「わかってる。でもこれは……アタシがやらなくちゃいけないことなのっ」
「いかん。これは命令……」
そんなフリットの肩をたたいて制止する者がいた。
「父さん」
「アセム」
「もう少し、ユノアたちに任せてみようよ」
「どういうつもりだ。お前、それがどういう……」
「わかってる。大事な妹が心配なのは父さんと同じだよ。でも俺、見てみたくなったんだ」
「見て……?」
「ユノアが、俺や父さんとは違う方法で戦いを終わらせるところを」
「違う……方法だと?」
フリットは完全に納得してはいない素振りを示しつつも、とりあえずは強硬な措置をとることは保留する形になった。
アセムは、そんな父と、外の様子を見比べながら思った。
(ゼハート、君ならこの戦い、どう見る?)
あの少女の苗字が「ガレット」だったことは、ゼハート・ガレットとは直接の関係はなかった。
だが、そのことがアセムに、あのかけがえのない友と過ごした学園での日々を思い起こさせるのにはじゅうぶんだった。
その思いの数々を重ねながら、アセムは妹の戦いを見守った。
そのとき、じつはフリットの心にも去来するものがあった。
(ユリン、もしも今なら……)
群青色の髪にすみれ色の瞳、名前はユリナ。
娘ユノアが新しい友だちだと連れてきたあの少女が、フリットに、かつて自分が守りきれずに死なせてしまったユリン・ルシェルのことを思い起こさせるのは必然だった。
かつてのユリンにそっくりなあの少女を、今ここで、自分の愛娘がその手で救済することができるのなら――。

(中略)

フォーンファルシアのビット攻撃は、後席のカノンがフィンファンネルを巧みに操って対処してくれている。
カノンのXラウンダー能力も高まっているようであった。
「ダメだわ、ユノア。ユリナの悪意がますます強くなってるの感じる」
「そんな……」
フォーンファルシアのフローラルビットが開いた状態は、その名のとおり花が咲いているような形状をしている。
それがいくつも、宇宙空間で光を放つ様子は、まるで星々の中に咲き誇る命のきらめきのように見える。
(……美しい)
脈絡なくユノアは思った。
攻撃用ビットは元々はシンプルに漏斗のような形をしており、フィンファンネルのように形状はもはや「フィン」であっても「ファンネル」と呼ばれるのがその名残りである。というような細かな経緯までは、このときユノアは知らなかった。
フォーンファルシアは機体自体もまた、丸みを帯びた優美な姿をしている。
(ガンダムもいいけど、どうせならああいう可愛いモビルスーツもよかったな……)
だがそんな空想にひたる時間など一瞬しか与えられない。
もはやユリナにとってはガンダムは憎き仇敵でしかないのだろうか。
「物理攻撃だけじゃ、消耗する一方だよ、ユノア。一気に決めないと」
「わかった」
限界についてのカノンからの示唆を受けて、ユノアも意を決した。
「ハロ、お願い。ユリナを助けてあげたいの。力を貸して!」
「OKハロ~。レインボーキュアメガキャノン発動ハロ」
ハロに憑依しているワクチンプログラムがまたデータを転送すると、HI-AGEデバイスが光る。
七色の光とともに現れたのは、意匠も新たな長身の砲。並々ならない風格を発している。
「スゴイ。これならいける!」
カノンがフィンファンネルで牽制している間にユノアはフォーンファルシアに照準を合わせた。
「ユリナ、今助けてあげる。頼んだよ、レインボーキュアメガキャノン」
祈るような気持ちでユノアは撃った。
「ガンダムレインボーキュアシュート・ハイパーメガ~~っ!」
進化前のライフルに比して数倍の優しくまばゆい光がほとばしり、それがフォーンファルシアを包んだ。
「やった。ユリナっ」
浄化完了!
ガンダムは闇のウイルスプログラムが除去されたフォーンファルシアに近づいた。
「ユリナ、ユリナ、聞こえる?」
しかしユノアの呼びかけに応答はなかった。
通信回線のステータスは接続中になっているが……。
と――
ガシンッ!
機体が衝撃を受けた。
フォーンファルシアの左手がガンダムの頭部を荒々しく掴んでいた。心なしか黒いオーラが機体の表層に渦巻いているようにも見えた。
「えぇっ」
「……浄化、できていない?」
ユノアとカノンが驚くコクピットに、心の奥底から絞り出した呪詛のようなユリナの声が響いてきた。
「……助けてあげる、そんな上から目線で」
「!」
「この私の絶望が、癒せるもんかぁーーーっ」
掴んだ手を放すと同時に蹴り飛ばしたガンダムへ向けて、ユリナの怨嗟のすべてを込めたように、フォーンファルシアの右腕がファルシアバトンを一振りした。
まるで魔法少女が魔法を使うかのような姿だったが、闇のウイルスプログラムは実際に魔法的なパワーを生み出している。
ガンダムは塵芥が吹き飛ばされるように薙ぎ払われた。
「きゃ~っ!」
まずい。
ガンダムAGE-XPエンゲージの機体がトルディアに激突しそうになる。
パイロットが悲鳴を上げている間に作動したARCによって、かろうじて減速した機体はコロニーの外壁に軟着陸する形になった。
「くっ」
体勢を立て直そうとしたユノアだが、ガンダムの姿勢が整う前に、追撃してきたフォーンファルシアに優位を取られてしまう。
ユノアたちをトルディアの外壁に押さえつけ、睥睨するように立ちはだかるフォーンファルシア、そしてファルシアバトンの先端がメインカメラのすぐ前に映っていた。
「どうして浄化できなかったのかしら」
「……何かが、足りなかったんだ、きっと、今のアタシたちに」
そんな無力感に襲われる2人の疑問に答えるかのように、ユリナの音声が通信回線から聞こえてきた。
「ムカつくんだよ、ユノア・アスノ。アンタみたいに、性格明るくて、友だち多くて、毎日楽しそうで、オマケに家柄だって……」
怨念に満ちたユリナの言葉にユノアは戸惑う。
「そんな、アタシはただ……」
戸惑うユノアにかまわずユリナは続けた。
「じゃあ知るがいいさ、私の地獄を。アンタなんかが絶対経験したことない悲哀を……」
ファルシアバトンがさらにメインカメラに押し付けられた。
「ユノアっ!」
カノンがおもむろにユノアの手を取った。
「流れこんでくる、ユリナの思念が」
「えっ」

(中略)

「そ、そんなことって……」
衝撃の事実にユノアは狼狽えながら絶句するしかなかった。
身体の震えと、涙が止まらない。
「ごめん……ユリナ、アタシのせいだ、アタシのせいで……」
そんなユノアをカノンは咄嗟に背後からギュッと抱きしめた。
「ちがうよユノア。ユノアは悪くない!」
HI-AGEデバイスは光を失って沈黙している。
「ユノア、悪くない。ユノア、悪くない」
ハロも通常モードで、カノンの言葉を反復するのみだった。
「アタシ……」
ユノアは無意識のうちにハロを手に取ると、ぬいぐるみか何かにそうするように抱きかかえた。
混乱が収まらないユノアに代わって、カノンが反駁した。
「ユリナ、聞いてる? あなたの気持ちはわかった。ユノアが落ち込むのも無理ない。でも、ちがうよ」
ユリナが自分の言葉を少なくとも音声としては耳に入力している気配を確かめながら、カノンは続けた。
「ユノアだって、ただ単にいつも幸せだったわけじゃない。お父さんと意見が対立したり、お兄さんへの気持ちに葛藤したり、アスノ家の名を継ぐ者としてボランティア先の人たちへの接し方に悩んだり……。そうやって、ちょっとずつ自分と周りの距離を調整しながら、自分の居場所を育てて、自分のやりたいことを見つけてきて、それで、今のユノアがあるんだよ。だから……」
そこで、またユリナがカノンを遮る。
「黙れ。黙れ、黙れ……。そのくらい何だ。それに、いつだってオマエがそばにいたんじゃないか。ひとりぼっちじゃなかったんじゃないか」
「黙らない! 聞いて」
先ほどとは逆にカノンがユリナへ向けて思念を送った。
「そんなことない、そんなことないヨ……なかったでしょ?」
「…………」
少しだけ、ユリナの居ずまいが先ほどまでとは変わったように感じられた。
「私とユノアだって、誤解して、すれ違って、ケンカして、いっぱい傷つけあって、それでも、そのたびに仲直りして、ここまで来たんだよ。だから、ユリナとも……」
「うるさい! うるさいうるさ~い!」
そんなやりとりを意識の隅に捉えながら、ユノアはようやく放心状態から回復してきた。
カノンが自分を弁護してくれていることは嬉しかった。
「ありがとう、カノン」
「アリガトウ、カノン、アリガトウ……」
ハロの復唱を聞いて、ユノアは心の中で思っただけのはずの言葉が、口から出ていたことに気づく。
そして、ふと思った。
そういえば、どうしてハロにはワクチンプログラムが憑依したんだろ?
こんなワクチンプログラムがなくて、あまつさえハロに取り憑いたりしていなければ、ユリナの「計画」はガンダムに邪魔されることもなく進んでいたはずだ。
いったい、このプログラムって?
(…………)
やおら頭をフル回転させるユノアは、やがてひとつの仮説に行き着く。
!!
そうか、そうなんだ、きっと。
証拠はなく、憶測の域は出ない。
でも、そう考えたときだけ辻褄が合う。
「まちがいない」
すべてが1本の線でつながった気がした。
「ユリナ!」
ユノアがいきなり叫んで驚いたのは、さしあたりカノンだった。
「ゴメン。……復~活!」
ユノアはふり向いて微笑むと指でピースサインをつくる。
そして、今一度、ユリナに語りかけはじめた。
「ねぇユリナ、あなたが闇のウィルスをプログラムしたとき、このワクチンプログラムもいっしょに生まれたんでしょう?」
「…………」
ユリナは沈黙をもって、ユノアの推論の否定をしなかった。
「それはユリナが、本当は誰かに止めてほしい。誰かに気づいてもらって、そうして、すべてリセットして、もう一度やりなおしたい……そう思ってたからじゃないの?」
「…………」
「心の奥底では、友だちがほしい、楽しく学校に通いたい、そう願ってたんじゃないの。だからこそ、転校してきて、アタシたちと友だちになったとき、毎日休み時間におしゃべりして、いっしょにお昼を食べて……、あのときあんなに楽しそうに笑ってたんじゃないの?」
ユリナの思念のゆらぎが少し伝わってきた、ような気がした。
「モビルスーツ大会のときも、学園祭のときだって、あんなに喜んで、はしゃいでたじゃない。あれは偽りじゃない。そうなんだとしたら、アタシ何か釈然としなかったんだ。でも、あれが、あれこそがユリナの本当の気持ちなんだって思ったら、全部納得いった」
「…………」
「だとしたら、やっぱり戻れるよ。アタシのこと、許してもらえないならしかたない。アスノ家としての責任の取り方は、これから考える。それでも……」
ここで息を継いだユノアは、軽く一瞬後ろを見返ってはカノンの手を握り返しながら続けた。
「それでもアタシは、ユリナともういちど友だちになりたい。ううん、今でも、今だって、つねにすでに友だちだって思ってる!」
ユノアの言葉を予測していたカノンが、ここでその意図を補う。
「そうだよ、ユリナ。また友だちとして、トルディアでいっしょに暮らそうよ!」
ユリナの心の慟哭が今度は明確な波動としてユノアにも感じられた。
「なんで……、なんでだよ。なんでそんなこと言えるん……」
「だって、それは……」
ピロ~~ン♪
ユノアがユリナの嗚咽に応えようとしたとき、突然ハロが通知音を鳴らして反応した。新たに眠っていたプログラムが覚醒したようだった。
「トモダチ、トモダチ、もうトモダチ……」
HI-AGEデバイスが、いつになく神々しく光りはじめた。
ユノアは反射的に操縦レバーを動かす。
スラスターを最大出力で吹かしたガンダムAGE-XPエンゲージは、フォーンファルシアを抱きかかえるようにトルディアの外壁から離れると、そのまま虹色の輝きに包まれた。
「何だあの光は。何が起こっている」
ディーヴァのブリッジでフリットは声をやや荒げた。
「あの光……?」
アセムもまた、ただならぬ輝きを訝らずにはおれない。
(でも、すごく激しく眩しいのに、なんだか優しくて、あたたかい感じがする……)
やがて他のクルーからは、口々に感嘆の声が漏れた。
「おぉー、あ、あれは」
「まさか、まさに」
「……天使!」
輝きが一段落した宙空に現れたモビルスーツ大の人影は、まさしく天使と見まごう気高い姿の、ユノアとカノン、そしてユリナもいた。
「ガンダムAGE-XPエンゲージ・ファイナルシルエット!」
やはりユノアたちと同じ比率になって見えているハロからの情報だろう。巨大ユノアは律儀にそう名乗ると、ポーズを決めた。
そうして巨大なユノアとカノンが軽く目配せして手を取り合うと、宙空を飛翔するようにゆっくりとユリナに近づき、そして優しく包み込むようにユリナを抱きしめた。
「……だって、それは、決まってんじゃん。好き……だからよ」
「そう、大好きなユリナの笑顔が見たいからだよ」
ユリナのすみれ色の瞳が潤んだ。
「ユノア……、カノン」
そんなユリナを慈しむように頬を寄せてユノアは続けた。
「今まで、いっぱいつらいことあったかもしれない……。でも、だからって、生きるのをあきらめないで。あなたが悲しいと、アタシも悲しい。あなたが嬉しいと、アタシも嬉しい。だからアタシは、アタシたちは、ユリナといっしょに
いたい……」

(後略)




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コメント 3

コメントの受付は締め切りました
琵琶さざなみ

 古い作品ですが、ZZガンダムのジュドー・アーシタが前にもお話しましたとおり、プリキュアに近いところがあるのではないかなぁ、と。
 特に物語の前半ですね。後半はZガンダムとのギャップで人気が振るわない部分もあったのか、後半は「ガンダムらしい」ものになりましたが。
 それでもカミーユが否定したハマーンを最後まで受け入れようとしていたジュドーは、終始「公」の「正義」ではなく妹や友達の為に動いており、それをハマーンに叱られるシーンもありました。最終的にはエゥーゴを離脱している点で富野ガンダムの中では「公」からの離脱が目立ったキャラクターと思います。

 ガンダムといえば、ターンAガンダムに登場した御曹司グエンとロラン・セラックが今になって面白く思います。
 男性的権力の象徴のようなグエンが、男の子であるロランに女装(女性ジェンダー)を強いて、名前まで押し付けて自分の都合のいい存在を求めていたのに対して、ロランは「僕はローラでもなければ、道具でもありませんよ」と拒絶します。
 グエンが同性愛者であるかどうかは作中では明瞭ではないのですが、自分のパートナーにしたいロランに求めたものが「ローラ(女性ジェンダー)」「道具」であったことは女性が強いられがちなジェンダーを男性にわかりやすく伝える意図があったのではないかなとか。
 一方、ロランはロランでムーンレィスなのに、地球側に所属して両者の和解に骨を折っている点で越境するキャラクターです。男性ジェンダーへの拘りやホモフォビアからの拒絶ではなく、自分らしさへの拘りから「ジェンダー」「道具」への拒否ですね。
 ガンダムを使って洗濯機&乾燥機に使ったのは彼くらいでしょうか。
by 琵琶さざなみ (2014-05-12 02:08) 

tomorine3908-

琵琶さざなみさま、ツイッターではお世話になってます(^^ゞ
コメントありがとうございました。

琵琶さざなみさまからのコメントにあるとおり、ターンAガンダムもいろいろ挑戦的な内容が多かったと伝え聞くところですが、あいにくワタシは詳しくないので、本文中でも「いろいろあった」中に含めさせていただいています。

そして「高校生ガンダム」に近いものを実際にあった中から探すと、「AGEアセム編冒頭3話」の次に近いあたりなのは、まさしく『ZZ』の前半クールかもしれませんね。
後半でもジュドーがプル&プルツーと友だちになる展開とか、ソコに通ずるものがあると言えるかも


by tomorine3908- (2014-05-14 02:15) 

琵琶さざなみ

 いつもお世話になっています。
 残念ながらAGEなどのSEED以降の非宇宙世紀ガンダムはそもそも興味がなかったので、スルーしている感じなので、AGE二次のSSは把握しきれないところもあるのですが……これくらいのノリなら見てみたいかも。
 レコンギスタは富野御大が何を見せてくれるのか気になっているところですけれどね。
 昨日はガンダムユニコーンの7話を見てきました。
 すっかり頭の中がプリキュアナイズされていますね。
 白と黒のガンダムは初代ですし、ゴーヤーンとスプラッシュ☆スターみたいなお話があったり、レジーナの出会いと離反と再協力&親子の葛藤の流れがあったり、まんまブンビーさんがいたり、キュアビートがいたり。
 どれこれもプリキュアだと最終決戦とのシンクロって点では、全体としては似ているわけではないのですけれどね。
by 琵琶さざなみ (2014-05-18 01:57) 

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