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「僕の妹はガンダムに乗れる」全12話アニメ化決定……なんてするわけないよなぁ [メディア・家族・教育等とジェンダー]

今回はもはやネタ小説オンリーです。
ご了承ヲ(^^ゞ

◎乗りかかった船なので、この際アニメ化を視野に入れたという想定で『僕の妹はガンダムに乗れる』全12話を構成し、要所要所考えてみました。


 『 僕の妹はガンダムに乗れる 』
第1話「伝説の戦士!ガンダム再び大地に立つ」
 → こちらの記事の末尾に掲載

 
 『 僕の妹はガンダムに乗れる 』
第2話「俺の妹がガンダムに乗れるわけがない」
 → こちらの記事の末尾に掲載


 『 僕の妹はガンダムに乗れる 』
第3話「親友はXラウンダー」
 → こちらの記事の末尾に掲載


 『 僕の妹はガンダムに乗れる 』
第4話「セーラー服ときかん坊」
(全略)


 『 僕の妹はガンダムに乗れる 』
第5話「教育実習!アリーサ先生の愛の熱血授業」

「アリーサ・ガンヘイルです。2週間ヨロシク」
教育実習期間がはじまり、ユノアのクラスにも実習の先生がやってきた。
日頃は連邦軍のモビルスーツ部隊にいるというその実習の先生は、軍務の傍ら通信制の大学で学びキャリアアップを目指しているのだという。
「……カッコイイよね、アリーサ先生」
カノンは早速ちょっとミーハーな感想を口にする。
「そうだね。……なんか性別を越えた魅力があるよね」
ユノアもとりあえずそう応じたが、たしかにどこか心惹かれるものがあった。
実際、男子よりもむしろ女子の間でアリーサ先生人気が熱を高めるのに1日はかからなかった。

(中略)

昼休み、日直だったユノアは、クラスの分の提出物を届けに行った。
「ガンヘイル先生、プリント集めてきました」
「おお、ご苦労。こっちに置いといて」
昼食を終えたばかりなのか、ややくつろいだ感じのアリーサ先生は、裏表のないサッパリした雰囲気の笑顔を見せる。
「あの……ガンヘイル先生」
ユノアは思い切って尋ねてみた。
「先生は教育実習が終わったら、また軍に戻られるんですよね」
「そうだな。今は無理を言って休暇扱いをもらってるけど、そうそう任務に穴を開けるわけにはいかないからね」
「せ、先生は、モビルスーツに乗って戦うときって、怖く……ないですか?」
「そりゃ怖くもあるさ。戦争だからナ」
「…………」
「でも、だからって逃げてちゃ始まらない。軍に入って、大切な人を、平和な日常を守りたい……、それってべつに誰かから強制されたわけじゃない、自分で決めた気持ちだから」
「自分で決めた気持ち……」
「ただ……戦争なんてないにこしたことはないんだ。相手も同じ人間だったら、本当はきっとわかりあえるはずなんだしね」
「同じ……人間だったら?」
「だから先生は……、一モビルスーツパイロットとはまた違う視点から戦争と平和について考えたくて、それで大学の勉強を始めたんだ。……ちょっとエラそすぎっかな、ハハハ」
「いえ……、そんなことないです、ステキです!」

(中略)

「アリーサ先生の大事な教育実習を邪魔するなんて……、絶対に許さない!」
敵ティラノサウルス型の断末魔の咆哮へ向かってユノアはライフルの照準を定めた。
「ガンダムレインボーキュアシュートっ!」
虹色のビームを浴びてティラノサウルス型の敵もモビルスーツ型のときと同様に浄化されていく。今回コアにされていたのは標本の化石だったようである。
「先生っ!」
ユノアはハッチを開けてガンダムから飛び降りた。
「センセイ、センセイ……ハロ!」
ハロが少し戸惑い気味にユノアを追いかける。
「アリーサ先生、怪我は?」
「大丈夫、こんなのかすり傷だよ」
右腕を押さえているアリーサ先生だが、実際負傷はさほど深くないようだ。よかった。ユノアは胸をなでおろした。
「……しかし驚いたなぁ」
「すみません、コレ、公にはできないことで……。軍でも上層部しか知らないはずなんです」
「いやいや、てゆーかユノアちゃんがあんなに……ガンダムのパイロットをしてたなんてね」
「……アタシもガンダムで何度か戦って、その度に怖いこともあったけど、でも敵がヒドイことをするのを見たら、やっぱ放っておけないんです」
「そうだな……」
「だからいつもコクピットの中で、気が付いたら敵に向かって叫んでるんです。……『絶対に許さない!』って」
「あぁー、そりゃイイ。『絶対に許さない!』かぁ。……うん、よしソレをユノアちゃんの決めゼリフにしよう」
「え、えぇっ?」
「よし、練習しよう。こうやってポーズを決めて……『絶対に許さない!』」
「…………」
「ほらほら」
「あ、ぜ『絶対に許さない!』」
「『絶対に許さない!』」
「『絶対に許さない!』」
「絶対に許さない!」
「絶対に許さない!」
ガンダムが見守る校庭に、ユノアとアリーサの楽しそうな声はいつまでも響いた。

そのころ――。
いったいどこなのだろう、暗い部屋の奥で、複数のコンピューター端末を操る人影がある。
コンピューター端末の画面のひとつには、ユノアに関するデータが映しだされていた。
その人影は、それをまじまじと見つめながら憎々しげにつぶやいた。
「ユノア・アスノ……。絶対に許さない!」


 『 僕の妹はガンダムに乗れる 』
第6話「謎の転校生」

「では今日はまず転校生を紹介します」
朝のホームルーム、担任の先生がそのように切りだすと、教室が軽くざわめくのは、まあ一般的な反応である。
「珍しいよね、この時期に……」
「うん、どんな子かなぁ」
ユノアもまた左隣、窓際の席のカノンからの言葉を受けて、そんなふうに新しいクラスメートへの期待を口にする。
はたして、先生に招き入れられて姿を現したのは、群青色の髪にすみれ色の瞳を持つ女の子だった。
上品で清楚な雰囲気の中に、どこか不思議な魅力を秘めている。
「……ちょっと、ユノア」
思わず見とれてしまったユノアは、カノンから突っつかれてハッとする。
どうしてだろう。どこかで会ったことがあるような気がする……。
「ユリナ・ガレットです。コロニー・ノートラムから来ました。よろしくお願いします」
そうこうするうちに転校生は簡潔に自己紹介を終える。
「じゃぁ席はこの列のいちばん後ろに用意しといたから」
そんな先生の言葉どおり、たしかにユノアの右隣に新しく空席が設けられていた。
ユノアが、その席へと歩み寄ってくるユリナを吸い込まれるように見つめていると、必然的に目が合ってしまう。
ユリナが微笑とともに軽く会釈したので、ユノアも慌てて笑顔を作るとユリナに声をかけた。
「よろしくネ」
ユリナは落ち着いた動作で着席すると、
あらためてユノアのほうへ向き直ると言葉を返してくれた。
「はい、よろしく。…………ユノア・アスノさん」
ユリナの瞳が少し妖しく光ったように見えた。
「え?」

(中略)

「もぉ、お父さんもお兄ちゃんも、帰ってくるんならもう少し早く連絡しといてよね」
文句を言いつつも、ユノアの機嫌は悪くはなかった。
今日は新しい友人としてユリナを自宅での昼食に招いているのだが、日頃は軍務で忙しい父フリットと兄アセムもたまたま休暇が取れたということで、早朝、帰省してきていたのだ。
「よしっ」
料理の段取りがだいたい整い準備が仕上がったちょうどそのとき、来訪者を告げる呼び鈴が鳴った。
(中略)
「お邪魔します。ユリナ・ガレットです」
ユノアによる紹介に続けて、ユリナがそう言うのを待たずに、父と兄はなぜか激しい反応を示していた。
「ユリ……………………ナ?」
「……ガレットって!」

(後略)


 『 僕の妹はガンダムに乗れる 』
第7話「波乱のモビルスーツ大会(前編)」
(全略)


 『 僕の妹はガンダムに乗れる 』
第8話「波乱のモビルスーツ大会(後編)」
(全略)


 『 僕の妹はガンダムに乗れる 』
第9話「狙われた学園祭(前編)」
(全略)


 『 僕の妹はガンダムに乗れる 』
第10話「狙われた学園祭(後編)」
(全略)


 『 僕の妹はガンダムに乗れる 』
第11話「裏切りのワルプルギス」
(全略)


 『 僕の妹はガンダムに乗れる 』
第12話「【最終回】生きるのをあきらめないで!今こそ宇宙に心の花を咲かせよう」
 → こちらの記事の末尾に掲載
(2014/05/05)


(^^)


 


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