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素顔のままでもう一度めぐりあいたい [その他雑感つぶやき]

先日カラオケに行く機会があったので、以前から狙っていたある歌を歌ってみる野望に挑戦しました。

それは、TONY『素顔のままで』
ご存じの方も多い………はずはないと確信しますが、これはかの『宇宙戦士バルディオス』の劇場映画版の主題歌だった曲なのです。

そう、つまりアニメ史上に残る伝説の欝エンドとしては『伝説巨神イデオン』と双璧をなす――いゃまだイデオンは輪廻転生という救いがあったことを考えると、もはや唯一無二の最悪のバッドエンド(……出番です、スマイルプリキュア!)な、あのラストにおいて流れる曲なのであります。

※現在はデジタル音源がなく、「ロボットアニメ大鑑」のCDにもテレビシリーズの分は収録されているのに劇場版関連は入っていないので、なかなか簡単には聞けなかったりするのですが、なぜかカラオケでは扱われているという…!

(2015/11/21)
コメント欄で2輪回帰さまから情報提供がありましたように、TONYの楽曲を集めたアルバム『BLUEGRAY』が2013年にリリースされています。
したがって現在ではその中に「素顔のままで」と、やはり劇場版バルディオスのテーマ曲だった「SEAWIND」も収録されており、デジタルデバイスで聴くことが可能になっています。

 

なので当然に明るくノリノリな曲であるはずはなく独特の哀調を帯びた歌なのですが、じつはこの歌、ワタシの場合、個人的な体験とのかかわりでも、非常に切ないものとなっています。

あれは高校生だったころ、当時付き合っていたカノジョと、決して嫌いになったわけでもないのに、やむにやまれぬ事情で別れねばならなくなったことがあります。
(詳細は『女子高生になれなかった少年』参照(^^)v)

そして、そのカノジョと別れる間際のデートのときに観た映画が、じつはこの『宇宙戦士バルディオス』劇場版だったのです。

それゆえにこの『素顔のままで』(作詞:佐藤真紀)のサビの部分

  互いの魂が呼び合う
  この広い宇宙の片隅
  もう一度めぐりあいたい
  ただの男と女
  素顔のままで

…は、まさにそのときの私の心情そのままで、あたかも自分のことのように気持ちに迫ってきていました。

そうして、作中の主人公マリンとヒロインのアフロディアに自分たちを重ねて解釈しながら、映画にも感情移入してたんですねぇ…。

ただ、この「そのときの私の心情そのまま」ってのは、今ふりかえると、少し正確ではないと思えます。

不本意ながら「別れ」を選ばざるをえなくなった問題の根幹は、やはり2人が「男と女」として付き合っていたから――。

すなわち、当時から私が「女」であったなら、2人の間にはもっと別の関係性が育めていたはずです。

やがて恋人どうしとしての蜜月が危機を迎えるとしても、女どうしであれば、現行社会の「異性との付き合い方」「男女交際のルール」は適用されず、しこうして恋人として付き合い続けるにしても、それはやはりもう無理だという結論に達したとしても、「2人」のその後の関係のカタチには、さまざまな可能性が考えられたはずなのですから。

そんな中であったなら、あのような形で悲しい別離を強いられることもなかったことでしょう。

むろん当時は、そうした認識は言語化できず無意識レベルにとどまっており、そのために悩みは解決の糸口すらつかめず混沌と深まるばかりだったのですが…。

ということで、『素顔のままで』の歌詞、往時のワタシの状況にリンクさせる上で正確を期するならば、次のように修正が必要となるわけです。

  互いの魂が呼び合う
  この広い宇宙の片隅
  もう一度めぐりあいたい
  ただの女と女
  素顔のままで

…いゃマジあのころに女として戻ってやり直したい事柄はむろん多々ありますが、そのことによって展開が実際に経られたものとは大きく変わるであろうことのひとつが彼女との関係であることは疑いありません。

もう一度……めぐりあいたいですね、女と女として。


あっ、とりあえず今回のカラオケは修正を施したほう、いわば【セクマイ バージョン】で歌いましたヨ♪
(いっしょに行ったみなさんにはウケてました(^o^;))


 


◎この『素顔のままで』で歌われている内容のうち、「宇宙的規模で離れ離れになっても、また再び会いたい…」というという趣旨にかかわる部分。
これは先日放送されたアニメ『輪廻のラグランジェ』の第12話(第1期最終回)でも描かれていたドラマです。
しかし、そう思って当該アニメのエンディング主題歌・中島愛「 Hello! 」を聞いても、アニメ本編どうしを比較しても、その描かれるディティールの大きすぎる違いには感嘆します。
すなわち『バルディオス』劇場版が、年齢層の高いファンを意識して「壮大なスペースラブロマン」などと銘打ち結局は「男と女」に回収されるエピソードしか描けなかったのに、いまどきの深夜アニメである『輪廻のラグランジェ』(略称ラグりん)は、女の子どうしの友情を超えた友情の物語をいとも簡単に描写しきっています。
30年の間に、時代は着実に進歩したということなのかもしれません。


◎「輪廻」といえば、上で触れたようにかつての『伝説巨神イデオン』のラストが輪廻転生だったわけですが、よくよく考えると、『輪廻のラグランジェ』の主人公側ロボットであるウォクスは、
 ◇古代文明の遺跡に由来する
 ◇搭乗者の精神の高揚に感応してパワーアップしたりする
 ◇それが高じると危険な事態に陥る可能性が懸念されている
などの点が、イデオンと共通してますねー。
……………。
第2期のラストが妙な欝エンドでないことを期待します。


  

  


◎それはそうと、カラオケで日頃(前記事にあるように)百合解釈して萌えている曲を歌おうとしたら、画面のPVが異性カップルで描かれていて激しく萎えるという罠


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コメント 2

コメントの受付は締め切りました
2輪回帰

TONY、BLUEGRAY というアルバムが復刻したのをご存じですか?
素顔のままでとSEAWIND ボーナストラックで入っています。
デジタル音源です!やったね
by 2輪回帰 (2015-11-13 23:16) 

tomorine3908-

2輪回帰さま
情報ありがとうございます。
じつは個人的には情報入手・音源チェック済みだったりするのですが、記事のほうはうっかり放置してました;;;
近日中に本文にも追記入れたいと思います
by tomorine3908- (2015-11-14 14:40) 

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